Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

ADEPT レフロック 2409を格付してみた

アデプト レフロック 2409

製品コード:LKW26000
商品名:ADEPT Reflok 2409
サイズ:12 × 24mm デュアル フラット ケーブル
長さ:900mm
重さ:630g

レビュー

アデプトという自転車のパーツブランドが発売するワイヤーロックです。

当ブログではワイヤーロックは基本的に推奨していないのですが、今回はデュアル(2本)仕様ということでちょっと気になる存在。

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アデプトのセキュリティレベルは7。公式サイトではセキュリティレベルの詳細は公開していないのですが、商品はレベル3~8まで存在するようです。

この商品はレベル7のため、上位に位置すると思われます。

アデプトのロゴかっこいいですね。こういうシンプルなの好きです。

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シリンダーもカーボン調でおしゃれです。

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二重にすると意外とコンパクトになります。ワイヤー2本の割によく曲がります。

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鍵穴はいたずら防止を兼ねたデザイン?のようです。

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付属の鍵はディンプルが3つ。家、職場、持ち歩き用で完璧です。

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この先端部分をシリンダーに入れるとロックされます。

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解錠もスムーズに行えました。

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一番不安なワイヤーとシリンダーの接合部分です。隙間もなくしっかり繋がっています。

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裏返してみました。ワイヤー二本って意外とインパクトありますね。ちょっと期待できるかも?

鍵のサイズを測ってみた

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収納用に2重にしたときのサイズは、約20cmです。

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鍵を広げたときのサイズは、約30cmです。これだけあれば十分ですね。

太さを測ってみた

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鍵の縦幅は約11mmでした。

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横幅は約22mmでした。思ったよりも太いですね。

重量を量ってみた

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重量は約578g。公称590gなので若干軽いです。

自転車に付けてみた

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直径が約30cmで数センチのポールには余裕で地球ロックできます。

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太いフレームも余裕ですね。細い電柱や電信柱なら地球ロックできそうです。

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コンパクトにした鍵を自転車にぶら下げてみました。しっかりしたリフレクターが付いているのは良いですね。

「実験」

まずはニッパーです。

多くのワイヤーロックはこのニッパーで切断されているので、ここだけはクリアしておきたいところです。

1m手前に置いてあるiPhoneのストップウォッチをオンにしてスタートです。

透明のカバーから切っていきます。が、想定外に硬い。嫌な予感、、

1分ほどでワイヤーに到達してワイヤーを1.2本ずつ切っていきます。6分ほど経過した時点で1本目が終わり、二本目に進みます。

しかし、この硬い素材と一本目のワイヤーの残骸が邪魔をして上手く二本目を切れません、、やばい手が痛い、、

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ボーダーの10分を経過してしましました。

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やはり二本目の途中で終わってしまいました。あと5分あれば、、

ワイヤーと透明の樹脂?が密着しているようで、かなりテコずってしまいましたね。

次にワイヤーカッターでチャレンジ

ワイヤーカッターでほぼすべてのワイヤーロックは切断できていたので、ここをクリアするとたいした物です。

ん、、これは切れない。使っているワイヤーカッターは刃の広さが1cm程度なので、バックリと挟みこむことができません。

諦めて端からカバーを大きめに切って、ワイヤーカッターが入る隙間を作っていきます。

ワイヤーに到達したときにはすでに3分経過、、かなりの時間をロスしてしまいました。しかし、まだ刃を入れるには幅がたりません。

ワイヤーカッターの刃がワイヤーを噛んだときにはすでに6分経過、、それから何度もワイヤーを切りに行きますが、奥までは刃が届かず、時すでに遅しで10分が過ぎてしました。

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思ったよりもこのワイヤーロックは手強いですね。

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この透明なカバーが思ったよりも切りにくい。さらにワイヤーを包む黒い樹脂?があるようで、これが切りにくさを増やしているようです。

金切鋏でチャレンジします

ワイヤーカッターと同レベルに位置する工具として金切鋏を用意してあります。

OTTOLOCK HEXBANDなどはこの金切鋏で切断されてしまっている強力な工具です。

さすがにカバーはジョキジョキとスムーズに切れて、ワイヤーまで1分未満で到達しました。一発は無理そうなので数本ずつ切り進めていきます。

ワイヤー一本目は比較的簡単に突破しましたが、一本目の残骸とワイヤーを包む黒い素材が邪魔をして二本目がとても切りにくい、、ちょっとコツがいりますね。

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6分前にはバッサリと切断してしまいました。個人的には思ったより時間がかかった印象です。

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上側が一本目、下が二本目に切ったワイヤーですが、後半は苦戦した跡が残っています。

鍵を分解します

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どういう意図なんでしょうか。外側は透明で内側は黒いですね。硬さの違いはそんなになさそうなので、デザインでしょうかね。

ワイヤーのサイズを計測

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ほぼ5mmでした。もっと太いのかと思いましたが標準的なサイズ。

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ワイヤー一本一本のサイズやひねり方も特に変わって点はなさそうです。

5mmのワイヤ2本別々の構成ですが、1本の太いケーブルにしなかったのは曲げやすさなどの取扱い安さを重視したのでしょうか。この辺り、アイデア次第でもっと強固にできそうな気もします。

 【C】「一瞬なら目を離せるかも」

実験の結果、強力ニッパーやワイヤーカッターでは10分以内の切断できず、金切鋏では6分以内に切断可能でした。

格付は 【C】「一瞬なら目を離せるかも」のカテゴリーに入ります。

このカテゴリーは【D】「盗難防止の鍵としてお薦めしない」の一つ上なので、自転車の盗難防止の鍵として自信を持っておすすめできる鍵とはまだ言いづらいです。

 ただ、同カテゴリー内での順位は一番上に来そうです。

現在【C】の中での最上位は「OTTOLOCK HEXBAND」ですが、こちらは金切鋏で約2分でした。このワイヤーロックは約6分なので上位に位置します。

まとめ

鍵の中で最弱カテゴリーのワイヤーロックですが、「レフロック 2409」に関しては5mmのワイヤーを2本仕様にしたこと、硬い樹脂のカバーを5mm弱という肉厚にしてケーブルに巻いたことで、かなり強固なワイヤーロックに仕上がったようです。

これによりニッパーや小型のワイヤーカッターから10分以上守ることに成功しました。
ワイヤーロックの中では現状最上位になりそうですね。

ただ、当ブログとしてはワイヤーロックの購入は非推奨です。。

その理由はひとつです。ニッパーでも時間をかければ切れるからです(例えば、これが4mmのチェーンだとしたらニッパーで何時間がんばっても切れません)。

ということで、盗難リスクの高い場所や長時間の駐停車ではおすすめできませんが、一時的に停める方やパーツを守るため等に使う鍵としては十分おすすめできる鍵だと思います。

自転車の鍵は用途に合わせて購入してくださいね。