金属プレートの切リ比べ
いつかは実験したかったこの企画。
色々な金属プレートの強度を独自のやり方で検証してみたいと思います。
金属の素材については素人以下の知識レベルしかありません。ですのでこの実験に意味があるのか、ないのかすら不明です。が、完全に興味本位で進めたいと思います
プロの方がいらっしゃったらコメント等でアドバイスいただけると嬉しいです。
なぜ久々に鍵の研究記事を書いているのか。
というのもメインで書いている鍵のレビューが工具の調達や実験の日程調整の関係で遅れに遅れているというのが理由です。すみません。
用意したのはこちらの5点。縦3cm、横5cm、厚み5mmのプレート。
①純チタン2種 TP340
②ステンレス SUS304(18クロームー8ニッケル)
③アルミ A2017 (Al-Cu系合金)
④アルミ A5052 (中強度のAl-Mg系合金)
⑤スチール SS400D(ミガキ材)(一般構造用鋼。熱処理なし)
比較的標準的?と思われる素材を集めてみました。鍵でよく使われている焼き入れスチールは入手先が分からなかったので今回は不参加です。
厚み5mmにしたのはABUS6000で使われているサイズだから。と、ちょうどサイズが統一できたからです。
鉄が一部錆びているのは、2019年に購入して約2年間室内で放置していたためです。本当は2年前に実験する予定でした。たぶん、元々はもっとキレイだったような、、
まずは重量
この鉄、スチールを基準にしたいと思います。116gでした。
ステンレスもスチールとほぼ同じ118gという結果に。今回用意した素材だとそんなに変わらなかったですね。
気になるチタンです。69g!お!スチールより4割ほど軽い。
事前に調べていた通りの軽さ。自転車の鍵にチタン仕様が少ないのは、加工のしにくさと価格の高さが理由だ!というのをどこかの記事で読んだ気がします。
たぶん、こちらが一般的なアルミと思われます。重量は42gと最軽量。
スチールと比べると6割ほど軽いです。
こちらはちょっと強度が増したアルミです。先ほどのアルミより3gほど重い。
パルミー等で使われているアルミU字が400g以下なのも納得できますね。
ボルトクリッパーで実験
では肝心の強度について実験したいと思います。
と言っても、精密に計測する機械は持ち合わせていないので手動でやります。
今回は切断が目的ではないので、できるだけ同じ圧をかけることに注力!
腕力だけだとバラつくので、体重を一定にかける方法で実験を行います。
とりあえず一発目は300mmのボルトクリッパーで圧をかけてみました。
上から、チタン、ステンレス、アルミ2017、アルミ5052A、鉄です。
やはりアルミのヘコみ大きいですが、ほかはそんなに変わらない印象でした。
はい!すべて実験しました
左端から750mm、450mm、300mmのボルトクリッパーです。
アルミは450mmで切断してしまったため750mmの実験は行っていません。
パルミーなどのアルミU字ロックは、「格付ランキング」の実験でも450mmで切断してしまっていたため、鍵の素材としてはちょっと不安が残ります。
アルミを省いた金属プレートたち。この3つではチタンのヘコみが大きいように思います。ステンレスも意外と強い?
側面から見てもチタンが深くまで刃が入っているようです。サプライズは何もなく、重量と強度はやっぱり比例するとしか言えない結果になってしまいましたね。
まとめ
この実験から、アルミは柔らか過ぎて鍵の素材として不安。
チタンは鉄より4割ほど軽いが、鉄より柔らかいため同等の強度を保とうとすると厚みを増やす必要があり、重量の差が少なけくなればチタンを採用するメリットは少ない。
大型の鍵でれば重量の差は開くため、価格は高くなるが採用するメリットはありそう。
ステンレスは鉄と同等、または強度は高いが重量も若干重くなるため、積極的に採用する理由も少ない。
結果、鉄が安くて加工しやすいので多く採用されている。という感じでしょうか。
よく鍵に使われている焼き入れスチールが、実際にどのくらいの重量が増えて強度が高まるのか分かりませんが、鉄が多く採用されている理由が少し垣間見れられた気がします。
軽くて強固な金属素材ってないんですかね。
以前実験したケブラーも残念な結果になりましたし、、
後日談
スチールの素材では、比較的柔らかい「SS400」ではなく、硬度や強度が高く品質の高い鋼のS-C材「S45C」「S50C」という素材があるようです。こちらは焼き入れにも適しているらしいので、鍵の多くはこちらを採用しているのでしょうかね。
丁度良いサイズのプレートが手に入ったら追記したいと思います。
焼入れに適した万能材料S45Cの特徴・用途やSS400との違いについて
高周波焼入れとは?特徴や焼き戻しとの違い | 特殊鋼なら販売〜加工まで!この道100年企業の専門サイト
いや難しい、、
鍵自体に興味のある方はこちらもどうぞ。