Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

【前編】ケブラーより強い。市販最強繊維の手袋を切ってみた

ケブラーより強い繊維を求めて!

以前の記事で、最強の繊維と言われる「ケブラー繊維」を切ってみたのですが、思いのほか反響があり、公開と同時に多くのアクセスがありました。やっぱりみんな気になっていたんですね。

私もずっと気になっていたので、よかったです。

今回は前回の実験後に知った「耐切創レベル」という基準の最大値「レベル5」をベースに、各メーカーが開発した最強の繊維を切ってみたいと思います。

耐切創レベルの詳しい説明は下記を参照してください。

http://www.showaglove.co.jp/business/solution/cut
https://atom-hg.jp/basic/index.html

予算をかけて最強繊維を集めました

今回用意したのはすべて手袋です。繊維だけだと市販されていなかったので、その繊維が使われている手袋を切ってみようという結論になりました。

手袋は大きく3種類。包丁やカッターなどで切断しづらい「耐切創強度レベル5」の手袋と、注射や針を通しにくい「耐針性」のある手袋、そして「ステンレス鋼メッシュ手袋」です。ステンレスは繊維ではないですが、ちょっとした興味で切ってみます。

基本、金属や繊維などの素材に関する知識がないので、もっと良い素材を知っている人はぜひコメントください。

あと、今回の実験は「自転車の鍵に使用する素材探しの一環として、切れない繊維は存在するのか」という、手袋の本来の目的外、用途外での実験になるので、そのあたり注意してくださいね。

まずは耐切創強度で一番強い「レベル5」の手袋を3つ用意。

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どの手袋もEN388試験で最優秀レベル値を取得しているものばかりです。ラインナップを見てもらうと分かると思いますが、有名メーカーからセレクトしました。

耐切創性の説明が書いてあったURLから一部文章を引用すると、ケブラーは「他の繊維と比較して3~10倍の耐切創抵抗値を示します」とあります。今回用意した手袋はそれらをさらに上回る耐切創性があるものばかりなので期待大です。

【耐切創レベル5】 ショーワグローブS-TEX 581

【耐切創レベル5】 ミドリ安全 耐切創手袋 カットガードG150

【耐切創レベル5】 サミテック 耐切創手袋 サミテックHX6

ショーワグローブS-TEX 581

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ちょっとかっこいい手袋ですね。サバイバル感。ステンレスワイヤー糸とアラミド繊維(ケブラー)を組み合わせているようです。

http://www.showaglove.co.jp/special/s-tex581/

まずはちょっと価格の高い事務用のハサミで切ってみることにします。

サクッとすんなり切れました。新品のハサミだからでしょうか、、では、次にワイヤーカッターで切ってみることにします。

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ワイヤーカッターだと一気に切れないなので、25秒ぐらいかかりました。おすすめしてもらったottoを瞬殺したという金切りバサミでも切ってみます。瞬殺、、。残念。

ミドリ安全 耐切創手袋 カットガードG150

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ツヌーガ(R)(東洋紡製高強力ポリエチレン繊維)とガラス繊維が使われているようです。こちらも普通のハサミで切ってみることにします。

https://ec.midori-anzen.com/shop/g/g4043101510/

さっきと同じぐらいですね。やはり耐切創強度レベル5とはいえ、挟み込むと切れてしまうんですね、、

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ワイヤーカッターでも金切バサミでも、先ほどと同じ軽い感触でした。切断時間もほぼ同じですね。ワイヤーカッター恐るべし。 

 サミテック 耐切創手袋

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ナイロンガラス繊維という表記だけで詳しくは書かれていませんね。まあとりあえずハサミで切ってみることにします。

http://www.dhp-dunlop.co.jp/products/summitech/index.html

お?さっきより切れない。いや、大した差はないですね。スパッときれました。

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ワイヤーカッターでも切ってみました。やはり30秒未満。。金切バサミだと普通の布を切っている感覚と変わらないですね。残念、、

耐切創強度レベル5を切ってみた結果

なかなか切れない繊維は見つからないですね。この辺りでもダメとなると繊維を鍵のメインの素材に使うのは現実的ではないのかもしれませんね。前回のケブラー繊維も ニッパーだと多少時間がかかりましたが、ワイヤーカッターだと瞬殺でした。このレベルの切断強度だと知名度を利用したPR用の素材でしかないですね。

メインの素材として考える以上はワイヤーカッターや金切バサミは軽くクリアしておきたいところです。

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今回はすべて残念な結果となりましたが、、まだ可能性は残っています。次回実験予定の耐針性手袋です。注射針も通さない手袋です。

下記のメーカーの動画(1分10秒辺り)見ると期待できそうじゃないですか? 注射針が完全に曲がっています。3層に重ねられたSuperFabricを使い、病院の清掃業務や医療系廃棄物の取り扱いを目的とした手袋だそうです。


Needlestick protection from needle resistant HexArmor gloves, arm guards

http://www.ohnaka-hexarmor.com/product/type/9014.php#001027

もしワイヤーカッターや金切バサミで切れなかったら、超軽量の自転車の鍵が実現するかもしれませんよね。なんて淡い期待を、、、、

もう1つは下記の手袋で、インスリンの針などへの対策として作られているようです。
http://www.falconf16.jp/spec/spec1/spec-gabacx.html

この2つはかなり予算をかけて買ったので期待したいですね。耐針性手袋の実験は後日、後編で記事にしたいと思います。