Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

ABUS BORDO LITE 6055 MINI を格付してみた

ABUS BORDO LITE 6055 60 MINI

LENGTH:600mm
KEY TYPE:カギ式
THICKNESS:軽量スチールコア+5mmのプラスチックコーティング
WEIGHT:440g

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お見舞金の制度があります(2019.5.3現在)

少し前からダイアテック株式会社が販売するABUS製品ではお見舞金サービスがスタートしています。

この商品はレベル7なので、鍵または自転車の購入から3年間の間に盗難された場合、最大100,000円がもらえるようです。詳しくは下記のページを確認してください。

いまのところ期間は設定されていないみたいですね。提出物に正規店の購入履歴や防犯登録番号、現場写真など必要なものが色々あるようなので、事前にチェックしてから購入しましょう。並行輸入品はダメなので、ネットで購入する際は要注意です。

http://www.diatechproducts.com/abus/tonan.html

まあ実験前にあれですが、、最大10万円のお見舞い金の制度はこのレベル7~なので、10万円以下の自転車に関しては最大3年間の保険として購入するのも個人的には全然ありだと思います。条件未達でもらえないケースもあると思うので、すべての判断は自己責任でお願いしますね。

「レビュー」

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以前実験した「 ABUS Bordo Lite 6050」のミニバージョン「6055」です。以前のバージョンは【B】「トイレなら行けるかも」の格付になっています。同じ仕様かとは思うのですが、リクエスト頂いたこともあり、実際の中身を確認していきたいと思います。

 

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鍵はディンプルではなく普通の鍵穴ですね。6500や6000の鍵穴はシリンダーの側面にあるのですが、この辺りのシリーズは正面に付いています。6050に付いていた鍵穴カバー?のようなデザインは省かれています。

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鍵は2つ。ABUSはだいたい2個だけですね。個人的には3つほしいところです。鍵のロック機構にはスプリングが入っているので、解錠のときのみ鍵を使用して、施錠時に鍵はいりません。

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全長は短く約15cmとかなりコンパクト。間接の動きはスムーズでヌンチャクみたいに軽やかに動きます。 シリンダーの表面はほぼプラスチックのみで覆われています。

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プレートの先端です。上位機種とはここの作りも違いますね。構造の違いはありますが、特に問題はないでしょう。

色々なサイズを測ってみました。

プレートを測ってみた

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プレートの幅は約21mmでした。

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厚みは約7mmほど。5mmのスチールコアが入っているので妥当なところ。

内径サイズを測ってみた

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多関節なので内径の測り方は難しいですが、写真のように置いたとき、縦は約18cm、一番広い下部の幅は約11cm、狭い上部の幅は約7cmでした。

参考までに私が常用しているABUS6500を並べてみました。

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レングスが850mmと600mmの違いです。 6055は小型のU字ロックぐらいのサイズ感ですね。親子ぐらいの差を感じます。

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人気のパルミーと比較してみました。思ったより広いですね。パルミーは地球ロックがギリギリな人が多いと思うので、6055ぐらいあると嬉しいです。

 本体重量を実測してみました。

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公称440gなので若干軽いですね。レングスの短いパルミーが約300gなので、かなり軽いと思います。軽さを求めている人には良さそうですね(強度が強ければ)。

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6500や6050に搭載されていれる「関節強化リング」と勝手に呼んでいるパーツが6055にもありますね。これがあると関節の破壊しにくさはワンランクアップします。ちなみに、6000や5700には搭載されていません。

関節強化リングって何?という人は下記の後半部分参照です。

 

 では、実際に自転車に装着してみたいと思います。

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パルミーより広いので前輪だと余裕ですね。コンビニのパイプもこのぐらいあれば余裕でしょう。ゆとりのある必要最小限って感じですね。

過去に実験したABUSのBORADたちを並べてみました

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左から6500、6000、6050、5700、6055miniです。

切断具合が生々しいですが、過去に実験したものを並べてみました。なんとなく各商品のサイズや見た目の迫力は見てとれると思います。

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シリンダーのゴムパーツを外してみました。左の3つは見るからに金属で強そうですね。左の2つはプラスチックや樹脂で覆われているので、貧弱に見えますね。まあこのヘッド部分を壊す人は少ないと思うので大丈夫だとは思いますが、、

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鍵の側面です。6500のみプレートの幅がかなり違いますね。鍵穴の蓋のようなパーツも6500のみ搭載しています。6000に間接強化リングを搭載した新バージョンが出れば、6500から移行するんですけどね、、そんな6500が売れなくなることしないでしょうけどね。

 「実験」

 では、実験を始めたいと思います。6050同様に軽すぎて不安になりますが、まずは手で引っ張ってみました。もちろん、大丈夫です。

ニッパーやボルトクリッパーの200mmで破壊を試みてみましたが、このあたりも余裕です。では、次が6050が破れた300mmのボルトクリッパーです。

 300mmのボルトクリッパーで実験します。

300mmのボルトクリッパーだと21mm幅はすべて挟み込めません。半分ずつ切断しようと思います。グッと力を入れてみますが、そう簡単には切れそうもありません。

両脇に力を入れてさらに力を込めていきます。ボルトクリッパーがしなりかけたそのとき、バキッと切断できました。まだ半分残っているので、反対側から差し込み同じように力を入れると、無事切断完了です。

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時間にして約42秒でした。6050の記事を確認したみたところ、約41秒。ほぼ同じですね。同じ素材なんでしょうか。

 念のため関節部分を狙います。

さすがに300mmのボルトクリッパーではこの関節は破壊できそうにありません。450mmでもしんどいので750mmで破壊します。

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約4分ほどで無事破壊。6050と同じように関節強化リングが入っていました。ピンの幅も同じ約9mmですね。 なかなか手強かったです。

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左が6055、右が6050です。表面の色が違いますね。仕上げのデザインの違い?でもカバーで見えないところですからね、、素材が違うのか、、

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念のためスチールコアのサイズを測ってみることにします。約3.5mmですね。

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次に6050も図ります。3.5mmでぴったり同じですね。

念のためこのスチールコアだけをボルトクリッパーで切って強度の違いがないか再度確認してみたいと思います。んっっ感覚的にはまったく同じです、、同じですねこれ。

【B】「トイレなら行けるかも」

格付けは300mmのボルトクリッパーで切断されたので「B」です。

やはり同じ結果になりました。プレートの部分は6050とまったく同じと言っても差し支えないと思います。長さの違いだけですね。定価でも約2000円ほどの違いなので、必要な方を選んでしまって良いかと思います。

格付の順位ですが、ABUS5700より下です。ROCKBROS(ロックブロス)の上に位置すると思います。

また、6050と6055の比較ですが、プレート部分は基本まったく同じ構造と判断したので、正直同じレベルです。ランキングとしては順位を付けないといけないので、実測で切断時間が長かった6055を上位にしようと思います。まあ鍵の長さは余りが少ない短い方が安全なので、そこを考慮しても上位で良いかなと思います。

 

今回、ボルトクリッパー300mmで切断できたということで、やはり高級自転車にはもう少し強固な鍵を使いたいところ。300mmはリュックなどに隠し持てるサイズなので、リスクはまだまだ高いと思います。できれば、450mmのボルトクリッパーで切断できないレベルの鍵をメインにしたいですね。

用途次第ですが、トイレ休憩しかしない、長時間止めないという人には、この6055はおすすめできます。アルミU字ロックより使い勝手がよくて、軽くてコンパクト。強度さえクリアできる使い方なら言うことないと思いますよ。

自転車の鍵は、適材適所でお願いしますね。

補足

「Bordo Lite 6055/80」というのが「Bordo Lite 6055 Mini/60」のロングバージョンとして発売されていますが、「BORDO LITE 6050/85」の650gよりも軽い重量500gになっているようです。この違いはヘッドの素材変更と全長5cmの違いが150gの差分に出ているのではと考察します。

レベルはどれも「7」で同じなので、実質強度に差はないと思われます。