Bicycle Security Lab

ABUS(アブス) STEEL-O-FLEX IVERA 7200を格付してみた

ABUS(アブス) STEEL-O-FLEX IVERA 7200

キータイプ:カギ式
長さ:1100mm
太さ:22mm
セキュリティレベル:7
重量:950g

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「レビュー」

ABUSのARMOURED CABLE LOCKSシリーズの鍵になります。
いわゆる「ゴジラリンクケーブルロック」を同じ仕組みの鍵で、ワイヤーをスチールのシェルで包み込んだ軽量かつ強度の高い構造になっています。

ABUSのカテゴリーでは、レベル7になっています。
同じカテゴリー内の上位商品はいずれも1KGを超える重量級ですが、こちらはギリギリ1KG未満になりますね。

シェルのリンク部分の幅も22mmとゴジラロックとほぼ同じぐらいです。

今回購入した長さは110cm。

ちなみにIVERA 7200は長さ違いの商品が2種類あり、長さ850mmで700g 、1100mmで950gとなっています。

 

では、細部から見ていこうと思います。

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金属のシリンダー部分は肉厚のプラスチックで覆われていて、厚みあるのでかなり頑丈に作られています。
ABUSのシリンダーは強固なので直接破壊される心配は少ない思われます。

 

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鍵穴部分です。いたずら防止・汚れ防止用の鍵穴カバーは付いていないようですね。残念です。
ケブラーの布はシリンダーの下にがっつり挟み込まれているので、めくれたり外れたりする心配はなさそう。

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鍵の止め方ですが、スプリングが入っているので鍵を使わずにガチャッと簡単に留められます。これはかなり便利なので高ポイントです。

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鍵は2つ。アブスは2本が多いですね。ぜひ3本にしてほしいところです。
鍵はディンプルではなく普通のタイプなので、ピッキング対策としては弱めです。

色々なサイズを測ってみました。

本体重量を測ってみました。 

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公称のスペックは、1100mmは950gですが、本体のみは828gでした
フレームマウントの重さが78gで、合わせて906gだからまあそんなもんですかね。

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カバーの上から幅を図ってみました。リングの細いところで約19.5mmといったところ。最大幅が22mmですね。

本体サイズを測ってみました。

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できるだけ円になるようにしてサイズを測ってみました。
横は約40cm、縦は30cmほど。110cmの長さは地球ロックには十分の長さです。

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普段持ち歩いているABUS6500と比較してみました。
1100mmと850mmなので大きく違いますね。

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長さも測ってみました。シリンダーまで入れると約1200mm。

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この写真いるのか疑問に思うぐらいの余裕さですね。さすが1100mmです。
小径車のホイールだとスポーク幅が狭いので20mm幅を超えると入らない可能性が上がります。今回も結構ギリギリでした。

 

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フレーム部分に巻いてみましたが、二重にできるほどの長さがあります。
ちなみに二重にしても強度は同じですが、ボルトクリッパー等で切断作業がしにくくなるので、余分な部分を下に垂らさない施錠方法がおすすめです。

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フレームマウントがあるのですが、イメージカットを撮ってみました。
固定するのがめんどくさいときは、ハンドルに巻くのも良さそうすね。

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最小になるまでコンパクトにしてみました。
かなり力を入れないといけませんが、3重にしたときのサイズ感です。思ったより小さくなりました。

 

「実験」

では、実験を始めたいと思います。

まずは手でひっぱりましたが、もちろん問題ありません。

次に、強力ニッパーも余裕。

次に、200mmのボルトクリッパーも刃先のサイズが広がらず余裕。

次に、300mmのボルトクリッパーで試しますが、こちらも刃先のサイズが足らず、カバーが滑りまくってまったくダメでした。

次に、450mmのボルトクリッパーで試します。

ほぼ同じスペックのゴジラロックはこの450mmのボルトクリッパーで切断できてしまったので多少慎重に、、

やはりカバーが滑る滑る、、、
ボルトクリッパーではこのケブラー素材のカバーを切ることはできません。
(誤解がないようにお伝えすると、ケブラーだからではなくボルトクリッパーでは普通の布もきれません)

そこで、ハサミを取り出しました。普通の事務用のハサミです。
ケブラーと言っても普通のハサミで切れるので、普通に切ります。ケブラー素材の意味って感じですよね、、

以前調べたときの記憶では引っ張りや擦れ強度などが一般の化学繊維よりかなり強いのですが、そもそもの一般の化学繊維の強度が低すぎてっていう感じです。

 

シェル部分が向きだしになったので、450mmのボルトクリッパーで挟みにいきますが、まだ幅が大きすぎて大苦戦、、

そこで多関節ロックやゴジラロックの実験で培った無理矢理作戦を実行します。
つなぎ目部分の幅が少し狭くなっているので、そこを攻めますね。
これは周知の通り、多関節ロックの間接と同じように、この仕様の弱点です。

ぐっとはめ込んで力を入れていくと、簡単にシェルを破壊できました。
このまま実験も終わりだと思ったのですが、、

まさかのワイヤーが切断できない。

ワイヤーカッターに持ち変えるも、特殊な形状の刃なのでワイヤーに届かない。
強力ニッパーでチビチビ切るしかないですね。

くそ、、時間がかかる、、思ったより切れない、、、

1本1本切ってきます、、

6分過ぎた頃、完全に切断できました。 

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思ったより時間がかかってしまいました。

元の位置に戻りストップウォッチを押せたのは、6分25秒。

カバーのケブラーの切断とワイヤーの切断に手間取ってしまった感じですね。

 

鍵を分解してみました。

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よくある感じのワイヤーを連結したリンクでシェルを作り、ゴムの布で包み込み、ケブラーのカバーで全体を覆うという手の込んだ仕様です。

ケブラーとこのゴムのせいで歯がかからなかったんですね。

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ワイヤーのサイズも測ったみました。
約5mなのでゴジラロックと同じですね。
ゴジラロックの時はこんなに手こずったかな?

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左がゴジラロック、右がIVERA 7200です。
表面の艶を見る限りどちらも焼き入れされてるようです。

 

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俯瞰で撮影してみました。
ほぼ同じといっていいと思います。

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ワイヤーも比べてみました。
サイズは同じ、巻き方も同じ。

1本ずつ切断、5本まとめて切断、5mまとめて切断、色々なら切り方をしてみましたが、感覚的に強度は同じぐらいです。
あえて順位付けるならABUSの方が若干切りにくいかな?ぐらいです。プラセボ的な感じだったらすみません。

 

A 「コンビニなら行けるかも」

今回の格付は、カテゴリーAです。

450mmのボルトクリッパーで切断できたので、こちらも「A」になりました。

同じカテゴリーの中で比較されるのは、「ABUS 685」と「GODZILLA(ゴジラ) リンクケーブルロックSGM-201-R」です。

450mmボルトクリッパーでの切断難易度から考えると、最後まで切れなかったABUS 685の方が上位かと思います。
ただ、ABUS 685はシンプルな構造のチェーンなので、750mmボルトクリッパーでの切断難易度は逆になるので注意が必要です。
ABUS独自のレベルで、685はレベル6。VERA 7200はレベル7というのも、大型ボルトクリッパーのみで実験したら、そうなっていたと思います。


問題はゴジラロックとの比較、、

切断時間には慣れもあるので再度ゴジラロックを切断してみたところ、切断難易度はやはりほぼ互角でした。

正直、強度で選ぶなら、カバーの色で選んでもらってもいいのではないかレベルで同じぐらいです。

 

今回は順位を付けないといけないのであえて重箱の隅を突くと、、ウィークポイントはゴジラロックのカバーの端が固定されていないところですかね。
簡単に捲れてしまうのはマイナスだと思います。

 IVERA 7200のように端が固定されていればボルトクリッパーを使う前に、ハサミなど別の工具が必ず必要になりますから、時間をもう少しかせぐことができます。
もちろん、ハサミなどを持っていなければ切断することすらできなくなりますよね。

ということで、このIVERA 7200はゴジラロックSGM-201-Rよりも上位にランキングすることにしました。

 

総評

このシェルタイプの鍵のメリットは、ずばり太さです。
鍵の幅が太ければ小さいボルトクリッパーでは挟めません。つまり、切れません。

しかし、強度を保つために焼き入れスチールのリンクをつなぎ合わせるため、それなりの重量になってきます。

ゴジラロックときも書きましたが、鍵の最小幅が20mmを超えてくると450mm以下のボルトクリッパーでは切断行為自体が不可能になります。

やはりシェルの接合部分の最小の幅があと数mm太ければ(25mm以上)上位カテゴリーに位置してたようにも思います。

 

参考までに。「IVERA 7200」の上位商品に「Steel-O-Flex lven 8200」がありますが、こちらは最大幅が25mmですが、1100mmで 1763gとかなりの重量になります。

前述した2種類も比較してみたいと思います。

IVERA 7200、1100mm 950g
ABUS 685、1100mm 1,250g

ちなみに同じカテゴリー内のチェーンロックと比較すると300gの差ですね。
全体重量から考えると1/3なのでかなりの差。でも300g。
この差を取るか、チェーンの取り回しの良さを取るか、悩ましいところです。

 

他と比較すると悩ましくなる鍵ですが、IVERA 7200は価格も高いだけにセキュリティも高く、上の見なければ十分使える鍵だと思います。
衝動的な窃盗犯やリュックに入るレベルの300mm程度のボルトクリッパー相手なら十分戦えるレベルにあります。

ただ、ゆっくりランチするには少々不安ですが、軽くお茶ぐらいならいけるかもしれません。
ただ、ガチ窃盗団に狙われた際は、その限りではないのでお気をつけください。
高級自転車には、もう1つ上位カテゴリーの方が安心かと思います。

自転車鍵は、用途に合わせてしっかり検討しましょう。何事も適材適所です。