ULAC(ユーラック) MAGNUM FORCE シリコンカバー U字ロック
キータイプ:カギ式
素材:アルミニウム
サイズ:73mm×140mm
重量:450g
「レビュー」
ULACというメーカーが作っているアルミのU字ロックになります。
アルミニウム素材はパルミーやパナソニックのU字が比較的メジャーかと思いますが、こちらもAmazonや楽天などでの口コミの評判も良さそうです。
見るからにシリコンカバーが厚くて自転車を傷つけそうにないので、内側のサイズが上記2種類よりも広ければアリな選択になる人も多いのではと思います。
価格はパナソニックのU字より数百円高いようなので、その当たりのコスパも検討できればと思っています。
では、細部を撮影してみました。
シリンダーからU字部分を取り外すと、アルミ部分はキレイなシルバー色をしていました。この状態を見るだけでもシリコンがかなり肉厚なのが分かります。
ディンプルタイプの鍵は3つ!家保管と会社保管、常備用の3つですね。ABUSは2つが多かったので、この辺りは安い鍵ならではのメリットですね。
鍵穴部分です。ディンプルタイプなので上下どちらでも差し込むことができます。
2000円少しの価格なので鍵穴カバーがないのはやむを得ないところでしょう。
鍵の開け閉めは比較的スムーズですが、鍵をかなりしっかり奥まで差し込まないと鍵が回らないことが多々ありました。
ぴったりはめ込むと、このように隙間無く収まります。金属部分がむき出しになる場所がないので、フレームに触れて傷が付くことはなさそうです。
色々な場所のサイズを測ってみました。
まずは本体重量から。
公称のスペックは、450gなので、7gの差です。十分な精度でしょう。
ちなみにパルミーが約300g、パナソニックU字が約380g。サイズも近いので100gはこのボリューム感のあるシリコンの重さでしょうか。
アルミのU字部分の幅を図ってみました。約14mmですね。これはパルミーと同じです。パルミーの黒アルミより、太く見えていたのは、膨張色だからかな。
本体サイズも測ってみました。
まずは縦の長さ。約140mmですね。パルミーより1cmほど長い!!
横幅は、上部が約73.3mm、下部が約72mm少し。あ、ほぼ同じ長さでした、、
パルミーは約75mmだったので、気持ち小さいかな?ぐらいです。
シリコンの幅が広がっているので目の錯覚のようです、、
パルミーと比較してみました。やはり縦は少し長く、横幅は少し短い感じ。
この1cmが命運を分けることがあるのか、、どうなのか、、ですね。
せっかくなのでアルミ部分の幅も再度比べてみました。ほぼ14mmで同じです。
自転車に取り付けてみました
40mmのパイプに留めると、前輪でまぁまぁな感じですね。そんなに余裕はありません。
フレーム部分に巻いてみました。40mmパイプと40mmのフレーム。密着させて80mmなので、60mm余る計算ですが、なかなか厳しいですね。
フレームにマウントしなかった場合、こんな感じです。
肉厚シリコンで覆われているので、こんな雑でも大丈夫な気がします。
「実験」
では、実験です。
念のため手でひっぱりましたが、もちろん問題ありません。
強力ニッパーも余裕で切断できる気配すらありません。
200mmのボルトクリッパーも余裕で切断できる気配すらありません。
次に、300mmのボルトクリッパーで試みました。
こちらも刃先のサイズが足らず、カバーのシリコンを切断するのでやっとです。
実は、後からカバーを取ってみるとアルミも削れているのですが、10分そこらでは切断できないほど小さな数ミリの傷が入っているだけでした。
ちょっと安心しました。
次に、450mmのボルトクリッパーで実験します。
先入観はよくありませんが、他2種類のアルミU字はここで切断できてしまっているので、注意深く実験したいと思います。
300mmのボルトクリッパー時もそうですが、このシリコンがかなり邪魔です。
適度にプルプルしているので刃が奥まで届きません。。
※450mmの刃先の最大サイズは17mmですが、切断には実感値で10mm以下でないと力を込めて挟み込めません。なので14mmは一度で切断できないサイズです。
詳しくはこの記事参照です。
1分ほどたった頃に、シリコンが邪魔でイライラがMAXになったのでハサミに持ち替えてまずはシリコンを削除することにしました。
なぜこんなに肉厚にしたのか、、普通はハサミ等で切れ込みを作ると手でペロッと向けるのですが、これは肉厚すぎて厄介ですね。
ちょっと時間がかかってしまいました、、
アルミがむき出しになったところで、再度450mmのボルトクリッパーでチャレンジ。
おー結構入る。4回バスっと力を入れたあたりで、半分以上は切断できています。
300mmと450mmでこんなに違うかと思うぐらいです。
450mmは長さがあり、床に片方のアームがなんとか届いたので体重をかけていきます。
6分過ぎた頃、完全に切断できました。
6分28秒。どうやらシリコンの切断に2、3分ほど時間を取られてしまいました、、
アルミ自体はそんなに硬くない印象だったので、750mmのボルトクリッパーなら瞬殺かもですね。
と妄想よりも実験なので、750mmで再度切断しみました。
1回目でほぼ9割切断。2回目で体重をかけたところでバスっと切断。シリコンもそのままなので、時間にして2分かかっていないですね。1分少しでした。
鍵を分解してみました。
左がパルミーで、右がULACです。
サイズはほぼ同じなので、シリコンの厚みだけの違いのようです。
一番薄い部分で約18mmなので、約2mmのシリコンで覆われているようです。
切断面を見る限り、似たような素材のような気もします。
切断面を横から撮影してみました。アルミの素材自体は同じような色なので、パルミーはアルミに何かしらの塗装がされているのだと思われます。
ULACのシリコンの厚みです。根元部分の一番厚いところですが、過剰なぐらいです。
フレームを殴っても傷つかないんじゃないかっていう厚み、、
シリンダー部分のシリコンも外してみました。なんか似てますね。
部品は共通です。と言われても分からないほど。
よく見ると細部は少し違うので違うのかもしれませんが。。
このシリンダー部分はもちろん破壊することは難しいので、切断するとしたらアーム部分になると思われます。
今回は先端のシリコンが一番薄い場所を狙いましたが、自転車の取り付け方を工夫して先端にボルトクリッパーやハサミが入らないようにすれば、肉厚のシリコンがさらに邪魔をして余計に切断時間がかかっていたかもしれませんね。
A 「コンビニなら行けるかも」
今回の格付は、カテゴリーAです。
450mmのボルトクリッパーで切断できたので、こちらも「A」になりました。
同じカテゴリーの中で比較されるのは、「パルミー」と「GODZILLA(ゴジラ) リンクケーブルロックSGM-201-R」です。
まず、パルミーとの比較です。アルミのサイズは同じですが、シリコンの厚みに違いがあります。今回はこのシリコンの厚さに苦戦してしまいました。
対450mmボルトクリッパーでは刃先のサイズが足らないため、先にこのシリコンを除外するしかありません。もちろん、切るにはハサミで切れ込みを入れて外すしか方法がないため、ハサミを持っていなければセーフになる可能性もあります。
パルミートの格付け順位ですが、パルミーのアルミ強度と比較するために再度切断しなおしてみました。手応えでは、パルミーのほうが硬いような気もします。ただ、切断する角度や手持ちの位置などで変わるぐらいの差かもしれません。どちらにせよ450mmや750mmのボルトクリッパーを使用した際の切断実験では、数秒も変わるほどの差はなさそうです。
そのため、シリコンの厚みによる切断難易度の差でパルミーより上位としました。
ゴジラロックとの比較です。
ゴジラロックも450mmのボルトクリッパーの前に破れてしましたが、切断にはかなり手こずっています。特徴の違う鍵なので判断が難しいですね。。
ULACはシリコンさえどうにかできれば簡単に切断できます。ボルトクリッパーとハサミのセット技でクリアです。
一方、ゴジラロックはリンク部分にいかに噛み付くかが勝負です。ボルトクリッパーとワイヤーカッターのセット技が必要です。
所要時間の差はあるものの、ん、、やはりゴジラロックの方が切断難易度が高い印象ですかね。ゴジラロックの切断には一般家庭にあまり置いていないワイヤーカッターが必要だったり、ちょっとしたテクニックが必要なので、工具が揃えば切断可能なULACは下位に位置づけしようと思います。
総評
このアルミU字の特徴はずばりシリコンの厚みです。
フレームを守るシリコンと、切断を邪魔するシリコン。
内径はパルミーと誤差ではあるものの、シリコンによって切断難易度が増したと考えられます。そのおかけで150g増えているので、最終的にはメリデメでの判断になってしまいますね。
パルミーとどっち買う?というときはボディを傷から守りたいか、150gでも軽い鍵を選びたいか、ぐらいの考えで大丈夫かなという感じです。
パルミーは時々かなり安くなっている時があるので、その際はパルミーですかね。
格付けはAなので、この鍵でゆっくりランチするには少々不安です。時間のイメージとしては軽くお茶ぐらいにとどめておくのがよいと思います。
ガチ窃盗団に狙われた際は、その限りではないのでお気をつけください。
高級自転車には、もう1つ、もう2つ上のカテゴリーの方が良いと思います。
自転車の鍵は適材適所です。