Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

ニッサ ウルトラロックを格付してみた

ニッサ ウルトラロック 24×700mm S-51

株式会社ニッサチェイン

ウルトラロック(シリンダー式ワイヤー錠)

24Φ×700mm、ワイヤーmm、特殊合金カバー2mm

レビュー

株式会社ニッサチェインという東大阪でチェーン・ワイヤーロープを多く扱う会社が発売している鍵のようです。

鍵はゴジラロックやABUSの「STEEL-O-FLEX IVERA 7200」と同じようなワイヤーケーブルを薄いスチールで包み込む形状です。

価格は2500円前後とかなり安く販売されています。

この価格、、

以前に「J&C(ジェイアンドシー) ワイヤーロック」の悲劇があるので若干心配ではありますが、前向きに取り組みたいと思います。

見た目はオールスチール感があり、かなり強そうです。

突発的な盗難にはこの見た目でだけで諦めてくれそうな圧がありますね。

大小のスチールをつなぎ合わせた構造のようです。

鍵はサークルや丸型と言われる円形の形を採用しています。

施錠はプッシュタイプなのでとても簡単。シンプルな構造なので迷うことはなさそう。

アーム部分はすべてビニールの皮膜で覆われていて安心感があります。雨などの時も安心して使用できますね。

鍵は3つ。自宅保管、会社保管、持ち歩き用ですね。3つあると安心です。

いい感じ!と思った矢先、、ん、、これは、、

まさかと思って、少し力を加えてみました、、丸見えじゃん。。

パッケージの裏に「破損のため、中のワイヤーが見える時は、使用しないでください」と書いてあったので、念の為メーカーにこのワイヤーが見える件について問合せしてみました。

「明らかな破損等なく、多少見える分には正常の範囲内です」とのこと。

もちろん現物を見て判断をもらったわけではないのでアレですが、、、、

破損はしておらず正常範囲ということで、このまま進めたいと思います。

色々なサイズを測ってみた

円状にした際の内径は縦は約23cm、横は約18.5cmほど。

スチール部分の最小径は約20mmほど。

最大箇所で約23mmほど。公称の24mmは最大径のようなので、もう少し大きい箇所があったかもしれませんね。

重さを測ってみた

約782gでした700mmの長さをスチールで包んでいるので、それなりに重さもあるようです。

自転車に取り付けてみた

さすがに余裕ですね。このぐらいの長さがあればコンビニはもちろん、地球ロックを考えても困ることは少ないと思います。

フレームに地球ロックも余裕です。

「実験」

まずは、ニッパーでチャレンジします。

ワイヤーの見える部分を見つけてしまっているので、そこから攻めたいと思います。

ビニール皮膜は簡単に切れました。

そして、ワイヤーをじっくり攻めていきます。じわじわと。

約3分30秒ほど。

無事切断完了。

やっぱりワイヤーへの直接攻撃は10分たたず切れてしまいました。

切断面。少しずつ切断していったのでぐちゃぐちゃです。

こちらがシリンダー側。

念の為、ワイヤー部分のサイズも測ってみました。約6mmほど。この形式の鍵の中では太い方ですね。

ワイヤーを留める部分など作りはしっかりしています。腕力で引っ張っても外れることはなさそうですね。

ボルトクリッパーで試します

今回はワイヤーを直接切りにいきましたが、念の為スチール部分も攻撃しておきたいと思います。

スチール部分にはニッパー、ワイヤーカッターはもちろん無効です。

一番細い20mm付近を狙ったところ、ボルトクリッパーの200mmも無効。300mmもかなり難易度が高かったです。それ以上の450mmと750mmはあっさり切断可能でした。数秒です。

【D】「盗難防止の鍵としてお薦めしない」

ニッパーで切断されたのでカテゴリーは「D」です。

盗難防止の鍵としてはおすすめできないという結果になりました。

低価格商品のためやむおえないのかもしれませんが、やはり一番の問題点はワイヤーが見える構造にあると思います。ワイヤーが見えた時点でワイヤーロックの強度になってしまうので。。

正直ワイヤーが見えない構造であれば「A」にランクインも見えたように思います。

 

個々のパーツのクオリティは過去実験したユニカーやJ&Cよりも上なので個人的には非常にもったいないですね。もう一工夫ほしいところです。

 

カテゴリー内の位置付けはニッパーでの切断時間の観点からユニカー以上、オットーロック以下でしょうか。

「D」内はほぼすべてワイヤーロックのため、似たり寄ったりで明らかな性能の差はありません。

ワイヤーロックについては下記の記事を参考にしてください。

 

ただ、この商品は見た目の迫力から素人相手には十分通用する鍵と思われます。最初から盗む目的で来る、用意周到なプロ相手には心もとない鍵と言えるかもしれませんが。

(メインの鍵としては450mmのボルトクリッパーに耐えるスペックはほしいところ)

ということで今回の実験では残念な結果になってしまいましたが、鍵は適材適所なのでこの鍵はサブとしての利用をおすすめします。