ABUS 685/75 SHADOW
LENGTH:750mm
KEY TYPE:カギ式
THICKNESS:6mm
WEIGHT:850g
「レビュー」
ABUSのチェーンロックのカテゴリー内では、中の下くらいに位置する鍵です。
メーカー独自のセキュリティレベルは、ABUS685でレベル6、以前格付したABUS1500はレベル3です。
数値上では倍ですがMAXレベルは15なので1/3程度。過度な期待は禁物かと思います。
格付け時の比較対象は同じメーカーの下位商品ABUS1500や、上位商品のBORDO6000辺りかと想定しています。
では、細部から見ていこうと思います。
最初は鍵穴からチェックします。鍵穴にはカバーが付いているのでゴミが入りにくく、いたずらしにくい仕様なのは高評価。
肉厚のプラスチックで覆われているので安全性も高そうです。
鍵は低価格帯の定番、普通の鍵です。2本ですが1つは予備なので実質1本で運用ですね。本音は3本ほしいところ。
鍵の接合部分です。
しっかりした作りでここを破壊するのは難しそうですね。
接合部分にはスプリングが入っているので、凸の部分を凹に入れるだけの簡単仕様です。鍵を留めるときに鍵を使用しないのは本当に便利です。
これはABUSの多関節やU字ロックにはない特徴と言えるかもしれません。
弱点になりがちの根元の部分もチェックしました。布カバーはただのカバーでしたが、根元はしっかり固定されており、ここを狙うのは非効率と思われるので対策は大丈夫でしょう。
色々なサイズを測ってみました。
本体重量を測ってみました。
重さも測ってみました。792gですね。公表は850なので58g違います。なにかパーツでも載せ忘れたかな、、まぁ軽いのはいいことです。
本体サイズを測ってみました。
内径のサイズもちゃんと測ってあります。長方形にした場合、横は約11cm、縦は約24cmほど。普段使いするぶんには十分な長さかと思います。
いつものABUS6500と比べています。6500の長さは850mmで、685は750mmで約100mmほど違うのですが並べてみると幅が小さいぶん内径は685の方が広いです。
チェーンのサイズを測ってみました。
チェーンの太さは公表6mmですが、実質5.5mmぐらいでしょうか。もう一声って感じ、、場所により6mm近かったりもするのでABUS的には誤差なのでしょう。
もしかして先ほどの重量が軽かったのはこのせいか、、
横側のサイズも測ってみました。ここなんてほぼ5mmですね、、
ABUS6500と収納性を比べてみました。
ABUS6500を並べてみましたが、丸めると同じぐらいになりました。
チェーンは自由に変形収納できるのはいいですね。ABUS6500は1500gあるので重量は実質倍違いますが、、
また、この2種類は使い勝手もまったく違うので用途に合わせて選びたいところ。
ただ、レベル15とレベル6なので比較対象としては重量も近いのはBORDO6000かな。とはいえ、BORDO6000もレベル10なので単純にレベルの比較では6000を選ぶ方がいいのでしょうね。
実際に自転車に留めてみました。
実際にポールに繋いでみました。
長さが750mmあるので何の問題もなく留めることができました。チェーンの幅も狭いので細いホイールの間も楽勝です。
俯瞰で鍵の内径も見て見ましたが、こちらも問題はなさそうです。
こんな留め方をするひとはいないと思いますが、ぐるぐる巻きつけられるのもチェーンの魅力ですね。
1kgを下回る軽い部類のチェーンですが、明らかにABUS1500より頑丈だと思います。
4mmから2mm太くなるとどのくらいの強度になるのかちょっと楽しみですね。
「実験」
不可能だと思っていますが、まずは手でひっぱりました。
さすがに問題ないです。次に強力ニッパーも余裕。
次に200mmのボルトクリッパーも余裕。
このクラスになる実験も楽なので助かります。
次に、300mmのボルトクリッパーで試します。
ABUS1500はこの段階で切断できてしまったので、期待です!
チェーンの6mm幅は十分挟めます。
腕力で力を入れましたが、刃が食い込まない、、
30秒ほどで諦めて、ボルトクリッパーの片方を床に置いて体重をかけました。
ぐいぐいっと体重をかけましたがまったく刃がたたず、、
上下の体重移動でさらに負荷をかけていきます。。
1分20秒ほどでグニっとした感触!イッた?と思ってボルトクリッパーを見たら、刃の重なりが歪んでしまいました、、
はぁ買い替え。。
チェーンを見てみると、僅かに傷ができているだけですね。
縦横2mmの差は圧倒的ですね。丸型ではなくスクエア型なのも影響しているかと思います。対角線上では6mm超えますから。ちょっと一安心。
300mmのボルトクリッパーを使用不可能にしてしまいましたので、そそくさと750mmに取り替えます。
750mmの大型ボルトクリッパーの登場です。
念のため、多くの鍵がこのボルトクリッパーに瞬殺されてきたので、期待と不安が入り混じりながら実験を続けます。
このサイズになると6mmは余裕で挟めますね。
まずは2本同時に挟みましたが横幅12mmのプレート状態なので、腕力だけではさすがに厳しいですね。
手抜きをせずに1本ずつ挟むことにしました。
ぐいっと体重をかけると、一瞬でバスっと大きな音を立てて切断できました。
この時点で所要時間は約1分ですが、1本作戦に変更してから切断までの実時間は約15秒。750mmおそるべし。
ただ、チェーンは片方を切断しても鍵は外せないため、もう片方も切断します。
同じく15秒ほど。現在、合計1分22秒です。
ただ、この鍵には布カバーがあるので首の皮ひとつでまだ繋がっています。
もちろん、ボルトクリッパーで布は切断できないので、ハサミに持ち替えました。
布自体はただの布のようで普通のハサミでジョキジョキ。
時間にして約1分40秒ですべて切断しおわりました。
こちらが切断面です。一回でバスっといったわりには表面がガタガタですね。
切ったというよりも潰したという感じでしょうか。
チェーンってキャパを超えるとあっさり切れるんだなという印象でした。
布もなくなったので、チェーンだけをさらけ出してみました。
これだけの厚みがあると300mmのボルトクリッパーで刃が立たないですね。
ということで、今回の実験では750mmでは瞬殺でした。
ということで格付にはいります。
2018.5.3追記
格付再編のために450mmの中型ボルトクリッパーで再チャレンジします。
3分ほど刃をかけて体重も入れますが、歯形程度で切断は難しそう、、
8分が過ぎ、完全に諦めムードで体重をかけていたところ、、
ボルトクリッパーの刃が潰れてきてる、、また買い換えか、、と思っていたところバスッっと火花が散ってチェーンが飛び散りました。。
こわ、、
ほぼ10分ですが一応ボルトクリッパーもろとも切断できてしまいました、、
ギリギリアウトな感じですが、、一応切断可ですかね、、
反対側のチェーンを切るのは怖いな、、
A「コンビニなら行けるかも」
格付けの再編を行ったのでABUS6000と同じカテゴリーではなくなりました。
ひとつ下のランクになります。
格付けは中型ボルトクリッパーでギリギリ切断されたので「A」です。
下位のWD-870 スチール U ロックとの比較ですが、こちらは体重を数回かけて切断しています。一方ABUS685は体重をかけきる前に切断できています。
どちらも二箇所切断が必要。685は布も切断が必要。んー悩ましい。。
切断時の体制の取りやすさでいえば、チェーンはだらっとしているのでボルトクリッパーの刃に手で押さえる必要がある。U字は鍵を持たなくてもよい。ん、、、
チェーンはだらっとするので切断位置が低くなりがち、、判断が難しい、
、
単純に切断強度だけで言えばWD-870です。
実際に実験の所用時間もWD-870の方が気持ち長いですし。。
一旦こちらを上位にしましょう。
過去に実験した3種類のチェーンを並べてみました。
上/DOPPELGANGER DKL121-BK (6mmチェーン)
中/ABUS(アブス) 685(6mmチェーン)
下/ABUS(アブス) 1500(4mmチェーン)
数字上はたった2mmですがまったく違いますね。
DKL121-BKは焼き入れされていない丸型チェーンなので同じ6mmでも強度がまったく違うようです。
300mmクラスのボルトクリッパー対策をチェーンで考えるならABUS685がラインと考えていたほうが良いかもしれません。
小型ボルトクリッパーに耐えたとはいえ、大型の工具を持参されれば瞬殺されるので、プロには無力としか言えません。高い自転車の方はもっと強固な鍵をご購入くださいね。
長い時間放置するときの鍵としてはまだおすすめしません。
大型工具を持ち出されなければ切断は難しいので、コンビニのトイレなどちょっとした時間であれば十分頼りにある鍵だと思います。窃盗者に事前に狙われていなければの話ですが、、
同じカテゴリー内のアルミU字ロックよりも強固なのでU字の収納性が低い、地球ロックがしづらいという方は多少重くなりますが、こちらもありかもしれません。
ABUS1500と迷われている方はもう千円ちょっと出してABUS685を購入した方が精神的には安心ですね。