Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

GODZILLA(ゴジラ) リンクケーブルロックSGM-201-Rを格付してみた

GODZILLA(ゴジラ) リンクケーブルロックSGM-201-R

サイズ:Φ20×1100mm
ロック本体:ドリルガード付
カギ種類:シリンダーキー
スチールリンク:太さ20mm
長さ:1100mm

GODZILLA S.L.LOCK20 SGM-201

f:id:tugune:20180415205630j:plain

「レビュー」

数年前に一斉を風靡したゴジラロック。

私の記憶では「GODZILLA」を販売していた斉工舎が•••というニュースがかすかに記憶に残っています。

その鍵がいつになっても販売されていて在庫豊富なのかな?と思っていましたが、現在はリンエイ株式会社という会社が販売をしているようです。

新製品も登場しているようなので、それならとぜひ格付けしてみようと今回購入してみました。

f:id:tugune:20180415212100j:plain

見舞金の制度を導入しているんですね!

こういう配慮はとても素敵だと思います。

f:id:tugune:20180415212131j:plain

今回購入した鍵はバイク用とのことなので、電動自転車または原付以上のバイクにのみ見舞金がでるようです。

価格の安い他のバリエーションの鍵や自転車は対象外のようなのでご注意ください。

では、ゴジラロックの細部を見ていこうと思います。

f:id:tugune:20180415210238j:plain

鍵はチェーンロックによくあるはめ込み式の形です。
スプリングは入っていないので、鍵の端をシリンダーに差し込んで普通に鍵を回します。

スプリング式の方が利便性は高いですが、故障を考えると一長一短なのでまあお好み。

f:id:tugune:20180415210301j:plain

鍵は2本付いています。個人的にはあと1本ほしいところです。
鍵も通常のタイプです。バージョンアップでディンプルになるといいですね。

f:id:tugune:20180415210327j:plain

シリンダーの鍵穴です。
販売会社のHPによると鍵穴にはドリル対策がされているようです。
確かに鍵穴の中に金属が見えますね!

f:id:tugune:20180415210349j:plain

先端をここに差し込んで鍵を回すと閉まります。

f:id:tugune:20180415210414j:plain

シリンダー自体は金属の塊にプラスチックカバーが付いていて強固そうです。

ちなみに、過去に同じスタイルの鍵を格付した際に、重なり合うリンクがズレてワイヤーがむき出しになるという最悪の状況になってしまいましたが今回は大丈夫でした。

シリンダー側も凸側もビニール部分をかなり引っ張ってみましたが、しっかり繋がっていました。 

重量や直径などのサイズを測ってみました。

まずは、本体重量。

f:id:tugune:20180415210500j:plain

本体重量は923gです。公表は960gなのでまあほぼ誤差な感じです。

本体サイズを広げて測ってみました。

f:id:tugune:20180415210526j:plain

円の直径は約33cmほど。1100mmなので長さは十分。地球ロックなども余裕でできる長さなので実用で困ることはほぼないでしょう。ABUS1500と同じ長さですね。

ABUS6500と比べてみました

f:id:tugune:20180415210555j:plain

一応、ABUS6500を中に入れてみました。さすがにこの比較が無意味ですね。

f:id:tugune:20180415210716j:plain

リンク部分の厚みは約18mmでした。布カバーまで入れると約20mm。
このサイズは絶妙で過去15mmを越えると、大型のボルトクリッパーでないと挟めないケースが多々あったので、リンクが丈夫であればかなり優位かと思います。  

また、この商品の上位に幅25mmという強力なゴジラロックもありますが、重さが1.5KGとなかなか重いので悩ましいところです。

実際に自転車に留めてみました。

f:id:tugune:20180415210849j:plain

幅の狭いブロンプトンのスポーク幅ギリギリで取り付けOKでした。
さすがに1100mmは余裕すぎます。

f:id:tugune:20180415210914j:plain

取り付けはどうしましょうかね。とりあえず巻いてみました。
直径20mm、長さ1100mmあるのに意外とコンパクトになりますね。

f:id:tugune:20180415210814j:plain

一度外してグルグル巻いてみました。これが最小限です。思ったより小さくなるのでバッグに入れるにしてもコンパクトでいいかもですね。

商品を手にした感じはともて強固でいい印象です。昔、よく切断されていた動画や画像が出回ってたような気もしますが、いまのところ想像ができないです。

昔と今で商品の構造が違う可能性もあるので同じに判断はできませんが。。

「実験」

まずは、手で引っ張ってみます。
自転車に付けた状態ではさすがにどうにもならないです。

長さがあるので、V字にぐいっと折ってみましたが、リンクの重なりが外れることもなく丈夫でした。

リンクの重なりは1つ1つが回転するので機構としてはとても優秀です。

そもそも幅が20mmもあるので、小さなニッパーや200mmのボルトクリッパーでは挟むことすらできませんでした。はい、ここまでは想定内。

さて、第一目標の300mmのボルトクリッパーで実験したいと思います。

f:id:tugune:20180415211106j:plain

布はシリンダーと固定されていないので、リンクの表面がむき出しにできました。

基本的には汚れ防止、傷防止の役割で付けられているようです。

普通の布ですが、端がしっかり留められていれば首の皮一枚で繋がるケースもあるので、この辺りの処理は少しもったいないですね。

300mmのボルトクリッパーです。

このラインは軽くクリアしたいところです。

ボルトクリッパーを手にして刃を広げていきますが、20mmの壁は大きいです。

表面のビニールは簡単に切断できるのですが、手持ちのボルトクリッパー300mmの刃の広がりは約13mmなので、20mmのリンクを挟み込めませんでした。

リンクケーブル自体が長く床に垂れているので、小さいボルトクリッパーながら体重をかけることにしました。隙間を狙って刃を入れますが切断まではまったくいきません。

f:id:tugune:20180415211039j:plain

10分経過。300mmでは刃がたちませんね。

 

750mmの大型ボルトクリッパーの登場です。

数々の鍵を破壊してきたボルトクリッパーです。。。
しかし、これを突破しないとやっぱり不安です。

プレート幅は約3cmで750mmのボルトクリッパーの刃の長さならギリギリカバーできそうなサイズ感。

とりあえず、刃をかけてみます。

750mmのボルトクリッパーの刃の広がりは約21mm。

リンクの太さは20mmなのでギリギリ挟み込める計算になります。とはいえ、ほぼ丁度のサイズ感なので力が掛からなければ切れないですが。

 

ボルトクリッパーを浮かして切ろうとしてみましたが、やはり表面がすべって挟み込めず。。

鍵は下のように垂れているので、先ほどと同じようにクイッと刃を下に向けて体重をかけていきたいと思います。

リンクとリンクの間を攻めます。

リンク同士は固定されていないので、少し力を入れると重なり合う部分に隙間ができ、直径20mmを少し下回る幅になりました。

これなら力が入るはず(ちなみにワイヤーは見えていません)。

ここまでくれば話は早いです。

体重をかける間もなくグチャっとリンクが潰れました。

所要時間は約58秒、、

さすが750mmのボルトクリッパー様としかいえません。

f:id:tugune:20180415211015j:plain

実際にはボルトクリッパーでリンクを破壊したあとにワイヤーの切り残しをワイヤーカッターで切断したので、ボルトクリッパー分の所要時間はもっと少ないです。

f:id:tugune:20180415211259j:plain

見えますかね。ワイヤーの切断面が2段になっています。ボルトクリッパーが切断したワイヤーと、その後ワイヤーカッターで切断した形跡が見てとれます。

f:id:tugune:20180415211143j:plain

ワイヤー自体は約5mmです。過去に実験しているケースだと、ドッペルギャンガーのワイヤーロックが4mmなのでそれに近いですね。

ワイヤーのみだと5分以内にワイヤーカッターで切断できるレベルの太さです。
f:id:tugune:20180415211213j:plain

リンクを1つ取り出してみました。これがワイヤーの周りを無数に繋がっています。

1つの形状が凸型だったため750mmのボルトクリッパーで破壊できたのでしょう。

ただ、このリンクのパーツはパッと見て分かるとおり、焼き入れされています。念のため金ノコでグリグリしてみましたが削れるどころか傷を付けるのも大変でした。

盗難現場では鍵を固定することもできないため、手動の金ノコでは10分以上かけても切断は難しいです。一人での作業ではほぼ不可能に近いでしょう。

2018.5.3追記

格付再編のために450mmの中型ボルトクリッパーで再チャレンジします。

刃のサイズ的にはまったくたりていません。
とはいえ750mmで経験したように、ボルトクリッパーを最大限に広げてリンク部分を刃に食い込ませます。

何度かチャレンジしますが、刃がすべって潰すことができず、、

時間ギリギリのところでようやく傷が滑り止めになったのか噛みつくことができました。

ここまでくれば後は簡単です。スパッと切断できました。

 

A 「コンビニなら行けるかも」

格付は、またもやAカテゴリーになりました。

750mmと450mmのボルトクリッパーで切断できたので「A」です。

このカテゴリーの中で順位比較されるのは、パルミーなどのアルミU字ロックとABUS685です。

アルミU字ロックとの比較ですが、ゴジラロックは300mmのボルトクリッパーではまったく歯が立たなかったので上位。

ABUS685との比較ですが、ABUS685は時間にして約1分40秒掛かっており、さらに布が切断の邪魔をしていたという結果から、このゴジラロックは下位とします。

 

ということで、このゴジラロックSGM-201-Rはパルミーより上、ABUS685より下にランキングすることにしました。

 

総評

切断実験をしていて素材や重さも重要なファクターですが、なによりも鍵の太さ、幅の重要性をかなり認識させられます。特にボルトクリッパーは構造上、対象物を挟み込めないと切れないので、20mmを超えると450mmや750mmのボルトクリッパーでは切断行為自体が不可能になります。

このゴジラロックSGM-201-Rも結合している最小部分の幅があと数mm太ければ結果が違っていたかもしれません。

 

ABUS685とどちらを買うか難しいところです。強度だけならABUS685でしょうが、長さが750mmに対してこちらは1100mmで、重さが100gほどしか違いません。
価格も状況により500円ぐらいの差。ん、、お好みでって感じですかね、、

 

とはいえ現状、どちらもプロに目をつけられるとやはり無力です。

衝動的な相手に対しては有効ですが、事前に大型工具を持っている相手には効果が薄いです。長時間停めないといけない場合には、もっと頑丈な上位の鍵をお使いください。

 一応、念押しですが、この商品と私の持っている切断工具などの条件に限っての比較なので、例えば上位の幅25mmの商品や切断工具が違うとまったく違う結果になっていると思います。

相対的な評価ですのでお気を付けください。

また、商品選びの際は型番等お間違いなく。