Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

クロップス CP-K5-FD60B/K5-CABRIOを格付してみた

 K5-CABRIO

製品コード:CP-K5-FD60B
商品名:K5-CABRIO
ロック方式:5桁ダイヤル
ブレードの厚み : 6mm
重量:590g

「レビュー」

ワイヤーロックで有名なクロップスが作ったブレードロックですね。

3mmワイヤー3桁ダイヤルの鍵は当サイトでは残念ながら最下位に位置していますが、今回は6mmのプレートということでちょっと期待しています。もしかするとABUSの独壇場に切り込めるかもしれません。

個人的には見た目がカッコいいので気になっています。

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黒一色にクロップス白ロゴが映えるシンプルなカラーリング。デザインはちょっと変わっていて、プレートとシリンダーの固定位置が離れています。

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スペック上だとやはり重量590gが気になるところですね。実用に耐える性能だったら、この重量はかなり魅力的です。

盗難見舞金

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安心の3年補償のようです。この商品の場合、保証金額はK4-FD60B (5万円)

条件としては、自転車購入から3年以内で、購入日と金額が表記されたレシートまたは領収書を持っている。そして、防犯登録をしている。

この鍵の購入日、金額が表記されたレシートまたは領収書を持っている(ショップでの新品購入のみ対象)。ショップとあるのでオークションやメルカリなどはダメということなのでしょう。

最後に対象製品購入から30日以内に事前登録を行う必要があるようです。

5万円までの自転車であれば、すでに買う価値ありそうです。

参考までにABUSだと、Bordo Lite 6055や5700などのレベル7の商品と同等ですね。

詳細をチェック

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見た目はやっぱり独特。今までに無い感じでこういうの嫌いではありません。

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ダイヤル式ですが、左右に3桁と2桁で分かれているめずらしい仕様のようです。

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ダイヤルは5桁なのでなかなか強力です。99999通りあるので、1秒に1回まわしたとしたら最大約27時間。早くまわしても最大約13時間。

まあ最大なので設定の仕方によっては数秒、数分で突破される可能性もあります。

解錠の設定値を予測されないためには毎度数字を0に戻せばいいのでしょうが、それはそれでめんどくさいですね。キータイプを選ぶかダイヤル式を選ぶか、悩ましいところです。

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自転車に取り付けるブラケットも付属しています。

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 ブランケットを付けるとこんな感じです。うん、、独特。。

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プレート同士を繋ぐリンク部分です。

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シリンダー本体とプレートを繋ぐ部分には形状の違うプレートが付けられています。

これはプレートの動きを良くして使い勝手を向上させる目的なのでしょうかね。

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しっかりと留められていて隙間は見えません。ただ、ピンはむき出しのようですね。ボルトクリッパーの耐性が気になるところです。 

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鍵部分です。これディンプルキーに使われている穴みたいですね。

サイズを測ってみた

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正方形に近くなるように広げてみました。

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この形状だと内径は、横約22cm、縦約15cmぐらいでした。通常使う分には余裕すぎるサイズですね。地球ロックもしやすいと思います。 

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実際にはこのようなカタチで使うのではと思います。

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閉じるとこんな感じ。プレートは自由に動き回るので、このテープをくくって留めるようです。ちょっとめんどくさいですね。

厚みを測ってみた

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プレートの幅は約6mm。公称の通りです。

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幅は約21mm。ABUS6000とほぼ同じぐらいでしょうか。

重さを量ってみた

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重量は589g。公称590gなので、かなり正確です。

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ブランケット込みでも632gとかなり軽いです。

実際に自転車に付けてみた

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前輪に取り付けてみました。まったく問題ありませんね。

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フレームにも取り付けてみました。これならコンビニの太いパイプも余裕です。

「実験」

 まずは、腕力のみで壊れるか試しました。さすがに大丈夫。

次にニッパー、金切鋏も問題なし。

 

ボルトクリッパーに持ち替えたいと思います。

ボルトクリッパーではプレートを狙います。

最初は200mm。

ですが、まったく無理。。

次は300mmです。

刃先が短いので半分ずつ切りたいと思います。が、5分程度頑張ったのですが埒が明かないので中止します。

次は450mmです。

過去の経験的にいけるかもなので10分は頑張りたいと思います。

グイッと腕力で押し込むだけでは無理そうなので、体重をかけていきます。徐々に圧を深くしていきながら完全切断を目指します。。

3分経過、、突如バチッと少し火花のようなものが出て真っ二つ!切断されました。

念のため、750mmも試します。

750mmだとプレート全体を挟み込めるので一気に押し込みたいと思います。

グーっと沈み込み、バスッと最初の一切りで切断!時間にして1分です。

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 上記写真は左から、450mm、300mm、200mmのボルトクリッパー、金切鋏です。

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さすがに450mmで切断されてしまいました。

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比較的キレイな切断面です。

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真横から見ると、300mmよりも200mmの方が端の切れ込みが深いですね。

300mmもプレート全体を切ろうとせず、端から徐々に切断を試みていたら、もう少し切断できていたかもしれませんね。反省。。

プレートの厚さを測ってみた 

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プレートの金属の厚みは約3mmでした。ABUS6000の厚みは5.3mm。ABUS5700も同じぐらいので、こちらは少し薄いですね。

次は関節を狙います。

200mmのボルトクリッパーからチャレンジしたいと思います。

プレート同士を繋ぐリンク部分は200mmでは無理そうだったので、シリンダーとプレートを繋ぐリンクを狙います。

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最初に力を入れた時点でリンクとプレートの隙間が空いて、約40秒ほどでピンがバスッと飛び散りました、、

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思いのほか、、簡単でした。ちなみにピンのサイズは5mmです。

【B】「トイレなら行けるかも」

格付としては「B」になりました。

このカテゴリーの鍵の使い方としては、トイレ休憩など本当にちょっとだけ自転車から離れる時間なら大丈夫かも!というレベルになります。

200mmボルトクリッパーで切断されたので「B」です。

 カテゴリーとしては300mmボルトクリッパーで切断されたら「Bカテゴリー」なのですが、「Cカテゴリー」がワイヤーカッターや金切鋏での切断が基準なので、200mmのボルトクリッパーもこちらの「B」カテゴリーに入れることにしました。

比較対象としてはABUS1500だと思われます。同じ200mmのボルトクリッパーでチェーンの片側30秒、両側で1分でした。こちらはピン一本40秒でしたので下位に位置すると思います。

総評

 当初の予想に反して残念な結果になってしました。

もちろん、ワイヤーロックなどに比べると圧倒的に有益ですが、プロの窃盗者から高い自転車を守るという観点では少し不安になるレベルと思われます。

ABUS1500同様、衝動的な犯行には十分対抗できると思われますが、、

ん、、やっぱりこの鍵を使用する際に自転車から離れるのは一時的だけということは記憶の隅に入れておいた方がいいかもしれません。

テレビなどで捕まっている窃盗者は、小型のボルトクリッパーを持っているようなので、もう一段、もう二段上のカテゴリーの強い鍵を購入した方が安心でしょう。 

 ただ、この鍵は新規購入から3年間は5万円の補償が付いています。条件を全てクリアできる方はありかもしれません。この辺りはご自身の条件との相談ですかね。