ABUS(アブス) Ultra Mini 410
本体部分直径: 12mm
高さ: 150mm
重量: 725g (コブラケーブル除く)
「レビュー」
ABUSのU字ロックの中では下位グレードの商品ですが、それでもメーカーのセキュリティレベルで15中の8もあります。
ほかのABUS製品でいうところのチェーン7mmが、同じレベル8です。
それだけU字ロックという鍵の構造が強力ということですね。
ワイヤーのコブラケーブルが付属していますが、こちらは別の機会に実験したいと思います。
今回選んだのは直径150mmのバージョンです。
他に180mmもあるので地球ロックを優先したい方は長い方を選びましょう。
蛍光色のグリーンカラーは遠くからでも目立ちそうですね。
鍵は2つ付属しています。ディンプルではないですが上下どちら側でも差し込むことができます。鍵のセキュリティレベルも通常の鍵と同じですね。
鍵穴はこんな感じです。鍵穴にはカバーが付いていて防汚とイタズラしにくいような設計になっているようです。カバー自体は固定されていて動きません。
シリンダー周りは金属で守られていて、その上を肉厚のプラスチックで覆われています。
実際に鍵穴に鍵を差し込んでみました。
あまりスムーズに出し入れできる感じではなく、ガチャガチャっと押し込む感じです。このあたりスムーズなディンプルキーが惜しまれますね。
U字のアーム部分をを差し込む穴です。鍵を閉めると写真のように本体内部から突起がでてきてパイプをロックします。
これは左右両方ともにあるので、片方を切断しても、もう片方はロックされたままになります。
そのため鍵を外すには2箇所を切断しなければいけないので、セキュリティとしてはより安全な構造といえます。
こちらがアーム側ですね。この凹みに突起が入りロックする仕組みです。
こちらが反対側です。面白いデザインですよね。
アーム部分には自転車に取り付けるパーツが取り付けられています。
鍵の色々なサイズを測ってみました。
まずは本体重量から。
スペックは公表725gなので30gほど軽いですね。もしかしたら、自転車側の取り付けパーツも込みの重量なんですかね。
まずはアーム部分の内側サイズを測ってみました。
縦は約140mm。横は約80mm。Evolution Mini-7と比較すると横幅はほぼ同じですが、縦は180mmなので40mmほぼ短いですね。
Ultra Mini 410の180mmのタイプだとほぼ同じぐらいになると思います。
アーム部分の太さを測ってみた。
今回より新しくデジタルスケールを導入しました!
アーム部分の幅は約13.8mmです。公表は12mmで少し太いですね。
カバーを外して再度計測してみます。
お!ちょうど12mmでぴったりでした。なかなかの精度です。
他のメーカーは、周囲のカバーやプラスチックを含めたサイズ表記が多いので、ABUSのこういうところはさすがです。
今までメジャーで測っていましたが、やっぱり専用品が楽で正確でいいですね。
ほかの鍵と比べてみた
手元にあるパルミーと比較してみました。
内径は若干、Ultra Mini 410の方が長いですがほぼ同じですかね。
パルミーはUltra Mini 410のちょうど半分の重量なので、これはこれで魅力的です。
実用ではパルミーもかなり地球ロックしにくいサイズなので、購入するならやはり180mmのほうですね。
実際に自転車に取り付けてみた
前輪だと地球ロックも問題なくできるスペースがあります。
フレーム部分だとギリギリです。
フレームと対象物の角度が違うケースなので、かなり厳しくなりますね。
奥にあるパイプの直径は45mmで、自転車のフレームも45mmです。
コンビニのポールサイズは約80mmなので、平行なポールに停めたとしても隙間は2cmないですね。ちょっと厳しそうです。。
この長さを購入する人は事前に停める場所のパイプ系を把握できている人ですね。
写真のメジャーは10cmほどに見えますが、斜めに測ってしまったので参考にしないでくださいね。申し訳ない。
「実験」
さっそく実験を始めますが、U字ロックということで
450mmのボルトクリッパーから始めます。
ボルトクリッパーの刃のサイズからして困難を極めています。
3分ほどグリグリしますが、切断どころかカバーを破るのが限界です、、
しかもこの素材、Evolution Mini-7と同じくかなり滑るので刃がまったくかかりません。
10分たっていないですが、諦めました。
カバーは破れましたが、中身は無傷です。。
そこ750mmの本命の登場です。
この750mmのボルトクリッパーを突破できればEvolution Mini-7と同じ上位のカテゴリーの仲間入りですね。
まずは、体重をかけずに腕力で挟み込みましたが、さすがに無理のようです。
次に、ボルトクリッパーの片方を床に置いて体重をかけていきます。
体重をかけてというか、その場でジャンプしながらボルトクリッパーに乗っかります。
5回ほどやってみましたが、まったく手応えなし、、
カバーが邪魔で中の様子が分かりませんが、金属が疲労しているケースもあるので角度を変えて同じことを繰り返してみます。
いや、、この時期クーラー効いてる場所でもしんどいです、、
これ35℃ある炎天下なら外なら汗だくどころか熱中症ですよ、、
諦めムードのまま10分の経過目指してジャンプしていると、突如パキーンっと音がしました!
ボルトクリッパーの刃が欠けた?と思って確認してみると、鍵が切断されていました!
時間にして3分44秒です。思ったより短い?
ただ、この鍵は両サイドを切断しないと自転車から外せないので、3分44秒×2=7分28秒が必要な計算になります。
外側のビニールカバーを剥がしてみました。
正直、切断できないと思っていました。
切断面をみると多角的に刃が入っていますね。。角度を変えずにそのまま切り続けていても切れてた?
そう考えるとカバーの目隠しって意外と有効かも!と思っています。。
斜めから見てみても断面ぐちゃぐちゃです。死闘の結果です、、
このクラスになると怪我しそうで怖いです、、
間違えて指を挟んだら軽く、、 ですし、鍵や刃が折れて飛んできたら最悪です、、
Evolution Mini-7と比べてみた
より上位クラスのEvolution Mini-7の幅もちゃんと計り直してみました。
カバー込みで、約16mmですね。
アーム部分は約12mm。13mmに近いですがほぼ同じですね。
こちらは750mmのボルトクリッパーでも切断できなかったので、コンマ数ミリ大きいのと素材の強度の影響ってことなんでしょうね。
ふたつの太さも見比べてもよく分からない。右がEvolution Mini-7なんですが言われれば太くみえるかな。まあ0.68mmの差ですからね。
断面を見比べてみました。切断面の具合が違いすぎて変わらないですね、、
ちなみに、左のEvolution Mini-7の切断面は手動式油圧式鉄筋カッターです。
左のEvolution Mini-7はサンダーで切断したものです。なんとも、、
では、実験も比較も無事終わったので格付にはいります。
【AA】「カフェなら行けるかも」」
格付けは750mmのボルトクリッパーで切断されたので「AA」です。
おそるべき750mmのボルトクリッパー。。
結果的には2本を切断するために必要な時間が、7分28秒ということで【AA】になりました。
現在、600mmのボルトクリッパーは持ち合わせていないので想像ですが、仮に600mmで実験していたとすれば2本を切断するのに10分は超えていたと思います。
そう考えるとなかなか盗難対策として有効な鍵と言えるのではないでしょうか。
格付での比較対象はABUS6000とWD-870 ですが、WD-870 よりはるかに強いので、検討対象はABUS6000と比べてどちらが上かということです。
難しいですね。
ABUS6000が750mmのボルトクリッパーで切断できたのは、関節の内側が90度以下のゆるゆる施錠の場合のみです。
しかも、四苦八苦しながら約8分かかっていますからね。。
ということは時間だけをみると微妙な差ではありますが、ABUS6000の方が上位ということになりますね。
確かにABUS6000は10/15で、 Ultra Mini 410は8/15。
上のカテゴリーのKRYPTONITEのEvolution Mini-7は、7/10です。
Evolution Mini-7は、ABUSのMAXレベル15基準に単純計算で合わせると10.5相当。
Ultra Mini 410はKRYPTONITEレベルに合わせると約5.3ぐらいなので誤差はあるにせよ妥当な範囲かもしれません。
700gぐらいの軽量U字ロックを探しているひとにはオススメできそうです。
ただ、少し重くなってもより強力なU字ロックが欲しい人にはEvolution Mini-7ですね。
300gを取るか、さらなる強度を取るか、このあたりの鍵のセレクトは少し悩ましいですね。
とはいえ、最強のカテゴリーに入る鍵ではないので、用途によってチョイスすべき鍵です。
駐輪場で常用する鍵や長時間放置する際は、ABUSレベル15クラスの鍵の方が安心かと思います。