最終更新日: 2019年6月20日
多くの鍵を破壊して格付してきたからこそ分かった、本当の「鍵の選び方」と失敗しない「最強の自転車の鍵」をランキング形式にしてまとめています。買ってはいけない鍵の種類や選び方の基準なども書いています。
2018年の自転車盗難認知件数は、18万3883件
ちなみに、2018年の自転車盗難件数は、18万3883件。そのうち検挙件数が1万1679件。検挙率は6.4%とのこと(※2018年の犯罪統計資料)。
犯罪統計資料(平成30年1~12月分【確定値】訂正版)|警察庁Webサイト
現状、盗られたら取り返すのはほぼ不可能に近い数字なんです。。
なので、、、盗られない対策が一番必要だと思っています。
自転車の鍵は、バッグに隠せる工具で簡単に破壊できる
一般の自転車屋さんにある鍵は、数百円~数千円代のワイヤーロックが中心です。
ロードバイクやクロスバイクなど高級な自転車を扱う店でも(最近は頑丈な鍵を取り扱うショップも増えてきましたが)4mm程度のチェーンロックを多く置いています。
当サイトは、たくさんの鍵を壊して格付してきましたが、正直トートバッグやリュックに隠せる300mm程度のボルトクリッパーで、それらの鍵は簡単に切断できてしまうんです。
その事実を以外とみんな知らないんですよね。。
まあそれが自転車の盗難数が減らない理由の1つとも言えますが、、、
選び方① Amazonや楽天などの「売れ筋ランキング」上位の鍵を選んではいけない
Amazonでも楽天でもランキングの上位に来ているのはだいたい安い鍵です。Amazonでも30位ぐらいまでは約3000円以下の鍵。
実際に鍵を切断した格付ランキングを見てもらったらわかる通り、安い鍵が破壊テストの上位に来ることはほぼありませんでした。
ショッピングサイトのランキング上位の鍵は、「良い鍵だと思ってみんな買っている」ではなく、「安いからみんな買っている」と認識しておいたほうが良いです。
鍵の価格と安全性はほぼ比例すると思っていても間違いないです。
安いには理由があります。金属が薄かったり、焼き入れ処理がされていなかったり、ひどい時は手で引っ張っただけで外れてしまう鍵も、、
盗難件数の約半分は無施錠らしいですが、残り半分は鍵を切られているケースだと思います(特に高級な自転車)。やっぱり気をつけたいですね。
選び方② ワイヤーロック(ケーブルロック)だけは買ってはいけない
安いし・軽いし・使い勝手良いしと思い「ワイヤーロック」を購入している人が多いと思います。
しかし、ほぼすべてのワイヤーロックは、100円ショップで買えるニッパーでも数分かからず切断できてしまうんです。
最初は私も本当にびっくりしました。まさかってぐらい簡単に切れてしまうんですよ。
1万円ぐらいする高価なワイヤーロックも、ポケットに入る小型のボルトクリッパーで1分かからずに切断できてしまうので、価格の問題ではないんです。。
ほとんどのワイヤーロックが格付ランキングでも常に最下位にランクされています。
選び方③ 購入する鍵の価格の目安は…
プロの窃盗団が使う小型の300mmボルトクリッパーで2000円、中型の600mm程度で6000円、大型の750mmで1万円、特大の1000mmで1万5000円で買えます。
サンダーや油圧カッターなどの電動工具で1万円〜。
攻撃するより守る方が大変なので、窃盗団が使う工具の価格以下で守れないのは容易に想像がつきますよね。
例えば、大型ボルトクリッパーに対抗したいと考えるなら、1万円以上の鍵が必要と考えておかなければいけないと思います。
窃盗団にとっては路上の自転車がお金に見えているので、同じレベルで考えてあげてくださいね。
自転車の鍵選びで大事なのは、この鍵で盗られたなら諦められると思える鍵を選ぶべき
では、実際にどれを買えばいいのか。
1位。 最強は家の鍵(室内保管)
いきなり自転車の鍵のじゃないのかよ。という感じですが、可能なら室内に保管しておきたいです。説明はいらいないと思いますが、さすがに家に侵入してまで自転車を盗もうと考えるひとは少ないです。
自転車を置けるほど玄関広くないし、というひとは室内における自転車用のハンガーを購入する方法も選択肢のひとつです。
部屋のサイズや形に合わせて横置きと縦置きと選べて、Amazon等で一番口コミの評価が良さそうなのはこのあたりですかね。
2位。 金で解決、ガレージ保管
自宅など室内に保管できない時はガレージ保管という手もあります。一戸建てなどで庭がある人は簡易のガーレンジを購入するのもひとつ。
ガレージの良いところは、盗難者の目線から隠せるのはもちろん、雨や日光などから自転車を守ることができること。
1万円以下のガレージは下記のようにビニール素材なので、高級自転車に目を付けられるとアウトになるので注意が必要です。そんな心配がありそうな場所のときはしっかりとした倉庫のタイプをおすすめします。
正直↑これが欲しいです!ガルウイングみたいに上に蓋を開けるのがなんか楽しそう。でも高い、、いつか庭付き一軒家に住んだときは買いたいな、、
また、週末にしか自転車に乗らないというひとは、下記のようなバイク専用ストレージがあるトランクルームをレンタルするのもありだと思います。
盗難保険のある会社もあるようなのでまたじっくりと調べてみたいと思います。
とはいえ、住んでいる場所によると思うので近所を確認してみても良いかと。少し調べてみて比較的全国に展開してそうな会社を試しにひとつピックアップしてみました。
3位。 毎日同じ場所に停めるなら、バイク用のロック推奨
マンションや会社の駐輪場など毎日同じ場所に停めるひとは、同じリズムで自転車が置かれているため、窃盗団も安心して狙うことができます。
やむを得ず同じ場所に置かざる終えないときは、金と重さにものを言わせましょう。下記のようなバイク用なら鍵だけで17kgあったりするので、まず通常の工具では太刀打ちできません。もちろん、この鍵は持ち運びができないので自宅や移動先に保管しておくことになりますが、、
価格も自転車並みなので買う勇気がでない人がほとんどだと思いますが、この鍵以上の値段の自転車を放置するしかない場合はやむを得ない選択になるのだと思われます。
ここまでする?って感じですが、切断できない鍵って本当に世の中にないんです。。
4位。 出先での安全を求めるなら、U字ロック推奨
お出かけ中に自転車を駐める必要がある時の安全性を求めるならU字ロックを使いたいです。自転車用の鍵で最強と言われているのが下記のABUSの「540」とクリプトナイトのニューヨークロック3000」。
どちらも各メーカーの最強レベルとしてラインナップされている商品で、特大のボルトクリッパーでも切断できないほど頑丈に造られています。盗難者も大概これを見るとびびると思われます。もちろん、バイク用と比べると強度は落ちますが、その分1.5キロ~2キロ程度まで重量が軽くなります。
このクラスになるとジャッキやサンダーを使った特殊工具に対しても耐性が強く、ABUS540は、14トンの負荷がないと切断できないと言われています。車用のジャッキはせいぜい3、4トンなので遙かに強いことが分かりますね。
デメリットはサイズが大きく、折りたたんだり、綺麗に収納できないので、バッグに入れるか、このままフレームに固定することになります。
「最強の鍵とは」と偉そうなことをタイトルで書きましたが、結局定番のこの辺りの鍵に落ち着いたのは申し訳ないところです。
もちろん、これ以下のレベルでも十分問題ないケースが多いと思いますが、最強というカテゴリーであればどのサイトでも間違いなく登場する代物です。
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追記:ランクは気持ち下がりますが、もう少しコンパクトで最強に近いグレードのものをもうひとつピックアップ。どちらを選ぶかは、在庫のありなしとサイズ、デザインで選んで大丈夫かと思います。
5位。 使い勝手と安全の妥協ラインを考えるなら、ABUSの多関節ロック
室内は無理、近くにガレージがない、移動が多い、U字ロックは使い勝手が悪い、という人に残された選択肢は「ABUS6500」ほぼこれ一択でしょう。
私も使っている鍵で重量もそれなりにありますが、U字ロックの不便さを解消できて地球ロックを考慮するとこれが最良の選択になります。
多関節だけあって折りたためるので、自転車のフレームに付けさえすれば邪魔にもならないです。1.5キロという重さはロードバイクにはきついと思いますが、盗難されるよりはましかと思います。
また、U字ロックと違い関節が動くので、ジャッキなどを使った力業も通用しません。もちろん、弱点がないわけではないですが、通常利用であれば上記のU字ロックに次ぐ鍵であることはいうまでもないです。
このシリーズの下位モデルにABUS6000もあるが、、
切断実験で大型ボルトクリッパー対策にはならないと格付したため、高級自転車にはおすすめしませんが、地方などプロの盗難が少ないエリア、短時間しか停めないという人には十分おすすめできます。
現状、多関節ロックで大型ボルトクリッパー対策するなら、ABUS6500一択になると思われます。
6位。 軽くて強い鍵は、金を積めば買える?(要輸入)
耐久性と強度の最強を求めると必ず鍵は重くなります。これを解決する方法はひとつ。金で解決すること。
例えば、「APEX Ti」という鍵が価格 189ドルで販売されています。約2万円です。この商品はチタンを使った強度が高い鍵なので、焼き入れ金属の約1/3ほど重量が軽いんです。多関節の弱点である関節部分も刃が入りにくいように工夫されていて、よく考えられている鍵のひとつだと思います。
日本ではまだ使っている人が少ないので、レビューも少ないですが写真で見る限りそんなに悪いモノだとは思えません。
その代わり価格が2万円と高めの設定で、現在購入するには基本海外から取り寄せになります。Amazonなどにも一部販売されていますが、正規代理店ではないので気をつけてくださいね。
現時点だと、詳細は不明の部分も多く、実物を見れないので順位としては6位にいれることにしました。
7位。 なし
え?チェーンがでてなくない?と思われたひともいると思いますが、チェーンは強度を上げるとU字ロックや多関節よりも重くなり非効率。軽くすると細くなり小型のボルトクリッパーで切断できてしまい役不足になります。
U字ロックかワイヤーロックかみたいな時代ならチェーンでも良かったと思いますが、多関節ロックがある今、あえて選ぶ必要性は薄いと考えています。
また、自転車固定式ロック(リング錠)はそもそも固定物と繋げる「地球ロック」ができないので、自転車ごとトラックやハイエースに載せられる可能性が高いです。高級自転車のメインの鍵としては、購入する理由はないですかね。
番外編。 1kg程度で強めの鍵
もう最強の鍵うんぬんではなくなりますが、現実的に考えて、、最強の鍵の重量が無理なら、このへんで手を打とうか、、というラインをひとつ紹介しておきます。
Evolution Mini-7は、このブログでも実験している鍵です。U字ロック自体なら1kgを下回る重さで、上記「540」には及ばないけど中々の強さで中型ボルトクリッパー程度なら余裕で耐えられます。
ただ、これに付属するケーブルロックはニッパーで切れる低レベルなので、地球ロックする際は、必ずU字ロックを使うようにしてくださいね。ケーブルロックはフレームとホイールを繋ぐなどパーツの盗難防止として使うこと。逆だと無意味になります、、
もっとシックなものないの!?という人はこの商品もありかと思います。重量も900gと1kgを下回りますが、ABUSのランクでもレベル12/15をマークしています。ただ、価格がEvolution Mini-7よりも2倍近く高いためデザインが気に入る以外で選ぶ理由は少ないです。
ABUSもクリプトナイトも海外メーカーのため、国内取り扱い製品は代理店が取り扱うものか、並行輸入されたものしかありません。直接海外から買えるひとはもっとバランスの良い鍵もあるので、ぜひ各メーカーページからチェックしてほしいです。
補足。
上記で羅列した最強の鍵は大型のボルトクリッパーでも容易に切断できないレベルです。
とはいえ、4位以降は電動サンダーや油圧カッターに耐えられないケースも考えられるため、停め方や鍵の付け方には注意しておきたいです。
安全性を優先した自転車の停め方、鍵の掛け方についての記事も書いています。
結局、自転車用の鍵で私がおすすめできる最強の鍵は5つ(+強め2つ)しかなかったので、おすすめした鍵だけではちょっと、、という人は、鍵の格付ランキングのできるだけ上位から選ぶようにしてもらいたいです。