WD-870 スチール U ロック
「スペック」
素材:スチール
内寸:L200×W105mm
外寸:L260×W150mm
重量:790g
「レビュー」
AmazonのU字ロックのランキングではパルミーなどの小型軽量級か、ABUSなどの大型重量級が上位を占めていますが、その中でポツンとした存在感で目に付いたのがこのU字ロックです。
縦260mm、横150mmと大型の部類にもかかわらず、重量が790gと1キロを切っています。このクラスで大型軽量級という少し珍しかったので購入してみました。
まず、細部からチェックしてきます
アーム部分はゴムで覆われていて六角の形をしています。保護用のゴムは通常丸が多いので珍しいですね。厚みがあるのでフレームに当たっても傷が入りにくいというのは良いです。
ロック部分は差し込み型で鍵を回すとアームのくぼみに入り抜けなくなる仕様です。ロック部分にもプラスチックのカバーが付いており、傷が付きにくいように配慮されています。約4mmの極厚カバーなので直径で33mmほどの太さになっています。
このあまりの厚さのおかげでロック部分を壊そうという戦意は喪失気味です。。
鍵は3本付いているので自宅、会社、持参と分けられて便利です。ディンプルではないですが裏表どちらでも挿せるようになっています。
ただ、何度か抜き差ししているときに鍵が回らないことがあったので精度に少し不安は覚えます。もちろん、何度かグリグリしていると回りましたが、、
内径もほぼスペック通りです。
850mmのABUS6500を横に置いてみました。ほぼニアリーなサイズ感です。
このぐらいの長さがあれば地球ロックもしやすいと思います。
自転車に付けてみました!これは付けやすいです。自転車をポールに寄せなくてもいいので楽です。
この広々空間!小型のU字ロックにはない快適さ。
しかし、U字ロックの隙間だらけだとロングパイプやジャッキ等を入れられ破壊される危険性が出てきます。なので、本当はギリギリを攻めるほうが安全です。この辺はU字ロックの難しいところですね。
ちなみにアームのスチール部分は約10mmになっていて、それを2mmほどのゴムで覆って14mmになっています。
この厚さがどうでるか少々不安ですが、実験に移りたいと思います。
「実験」
前回の「Evolution Mini-7」では見事にボルトクリッパーを破壊されてしまったので、今回は期待と不安が混じり合いながら実験を開始します。
ちなみに今回からボルトクリッパーが新しくなっていて、今までの軟線用から硬線用に仕様が変わっています。
では手始めにミドルクラスのボルトクリッパーでチャレンジします。刃を入れると厚みのあるゴムがズルリと破れ10mmのスチールが顔を出しました。刃を広げたサイズの方が大きいので包むように刃を入れていきます。が、、かなり滑ります。
1mmに満たない傷ができただけで力がアームに力が伝わりません。膝部分でとめている鍵を一旦外し、地上50mmのところに付け替えて切断を試みます。
上から押さえつけるように力を入れますが全く刃が立ちません。そんなこんなで10分経過、、
大型のボルトクリッパーに持ち替えて再度チャレンジします
さすが大型だけあって刃の広がりはかなり大きいです。しかし、両腕だけでは腕力が足らず、、。片方を床に置いて体重をかけてみます。2.3度体重がかかったところでバツっと刃が閉じました!
切れた?と思ってゴムをかき分けて見ると見事に切断できていました。
思いのほか早かったので多少残念ではあります。時間にして約2分でした。
AA ゴールド「カフェぐらいならいけるかも」」
ワイヤーカッターや中型のボルトクリッパーには鉄壁の守りをみせた「WD-870 Uロック」ですが、大型のボルトクリッパーには瞬殺されてしまいました。
格付はAAゴールドになります
実験の結果から、衝動的な窃盗犯やバッグ等に工具を隠し持っている程度の相手には安心できるスペックだと思われます。その一方でハイエースなどからサクッと降りてきてバスッと切って持ち去るようなプロや、油圧カッター、サンダーを使う相手にはまったく刃が立ちません。
長時間駐車するようなときや、マンションの駐輪場に停めるような時は、もっと強固なU字ロックを使うべきでしょう。数十万するような自転車はできれば室内保管、無理なら「ABUS(アブス) GRANIT X-PLUS540」のようなガチなものが良いと思います。二度と買えないような価格の時はバイク用の鍵がおすすめです。
ちなみに、今回購入した大型のボルトクリッパーで「Evolution Mini-7」も再検証してみたのですが、素材が違うのか、サイズの影響なのか、こちらは体重をかけてもジャンプしてもまったく刃が立たちませんでした。
左が「Evolution Mini-7」、右が「WD-870 Uロック」です。太さも結構違いますね。
価格も二倍以上違うので同列では評価できないのですが、もう少し粘ってほしかったというのが本音です。
ただ、同じ格付内にいるパルミーやパナソニックのU字ロックとは違い、10分たってもほぼ無傷で達成したことを考えると、この軽さと価格ではコスパがいいのではないでしょうか。
大型のボルトクリッパーを考慮しなければ買いな選択だと思います
パナソニックのU字ロックと同じ価格ですし。重量は倍ですが、、
やはり強度と重量は比例しているという事実をほんと思い知らされますね。この法則から脱却できるとしたら、例のチタンを使った高級ロックに手を出すしかなさそうです。