Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

NN.ORANIE ダイヤルコンボU字ロックを格付してみた

NN.ORANIE ダイヤルコンボU字ロック

ブランド:LATTCURE
色:ブラック
材質:亜鉛, ポリ塩化ビニル
ロックタイプ:コンビネーションロック
商品の重量:約820g

レビュー

「LATTCURE」というブランドの「NN.ORANIE」という商品です。正直、なんて読むのか分かりませんが、連絡先の会社が深センということで中華メーカーと思われます。メーカー名で検索すると色々な商品を作っているよう。Amazonだけではなく、楽天にもあるので、それなりに販路は広そうです。

この鍵、形は一般的なU字ロックですが、ダイヤル式の鍵を搭載している珍しい鍵になります。

世の中にあるダイヤル式のロックは3桁が多く、とても安全とは言えない商品ばかりでした。そこにU字という強固さと4桁のダイヤル式ロックという今までに見たことがない組合せなので、とても興味がわく商品です。

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若干、直訳よりの日本語で説明が書かれています。

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構造がとても簡単なので十分理解できました。

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では、鍵を見ていきたいと思います。

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U字ロックのU部分は至って普通ですが、シリンダー部分に注目ですね。

ダイヤル式のロックはカバーで隠れています。

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この部分です。下部に付いているピンをスライドするとパカッと開きます。

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ダイヤル式はダイヤルの回転が命なので、このカバーで埃や砂が入るのを防止しているのでしょう。気が利きますね。

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4桁なので1秒間に1回解錠作業したとして、最大で9999秒、166分、約2時間半ぐらいかかる計算になります。現実的には上手く設定できたとして、この1/2、1/3ぐらいの時間かもしれません。そう考えるとやっぱり少し心許ない気もします。

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シリンダー下部には暗証番号の設定とカバーを開くスイッチがあります。

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U字部分はダブルでロックがかかる仕様になっています。これなら片側だけ切断されても簡単にロックを外すことはできません。

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アーム部分ですが肉厚のゴム状のカバーで保護されています。

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開け方は簡単。上のプッシュボタンを押し込むだけでU字のアームは外れます。逆に施錠するときはバネでロックがかかるので、押し込むだけでOKです。

鍵のサイズを測ってみた

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全長は23cm、横は15cmぐらいでしょうか。スペック通りですね。

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内径の横幅は約9.7cm。

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内径の縦幅は約16cmちょっと。ボタンを含まなければ17cmほど。

太さを測ってみた

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太さはカバー込みで約15mm。スペック上は17mmとなっていたので2mmほど細いですね。

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金属部分の太さは約12mmでした。

重量を量ってみた

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鍵なしで約825g。スペック上は約820gなので比較的精度が高いですね。

自転車に付けてみた

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内径に余裕があるので、地球ロックも余裕です。

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過去に切断した鍵だと「Evolution Mini-7 U字ロック」が一番サイズ感が近いかもしれません。ミドルなサイズです。

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太いフレームでも何とか地球ロック可能です。

パルミーと比較してみた

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パルミートの比較です。親子ぐらいサイズの差がありますね。パルミーだとフレームを通した地球ロックは正直しんどいと思います。

「実験」

まずはニッパーからです。

さすがに切れるわけありません。

ワイヤーカッター、金切鋏も同様で最初の数分で諦めました。

300mmのボルトクリッパー

刃の開くサイズ的にこれも厳しそうですが、念の為チャレンジしてみます。

ん、、やっぱり刃が短く挟めない。外側のカバーを切断しただけでした。

450mmのボルトクリッパー

刃はU字部分に挟めるのですが、刃が完全に開き切っているため力が入りません。

さすがに12mmとなると中型でも難しいですね

では750mmのボルトクリッパー

12mmは正直、微妙なラインですね。

過去の鍵をみると13mm以下はほぼ切断されているんですよね、、

とりあえず、先入観はもたずにやってみることにしましょう!

750mmのボルトクリッパーを手に持ち、ぐっと挟み込みました。

ん?ボルトクリッパーはしなるのですが硬い、、

 

体重をかけて一気にトドメを刺しに行きます。が、切れない。

1/3ぐらいは刃が入っているようですが切れない、

12mmなので比較的余裕で切れると思っていたのですが、、

角度変えたりしてみましたが、結局10分経過しても切断できませんでした。

電動工具でチャレンジします。

年末年始ということで手配に時間がかかってしまいましたが、電動工具での実験を行いました。

キュイーンと甲高い音と共に火花がひろがります。

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1回目は約30秒、2回目は約35秒で真っ二つになりました。

過去最速ではないですが、それでも圧倒的に早いですね。

写真は切断実験から数日経ってから撮影したのでサビがでてしまっています。

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こちらが2回目の切断面。

U字部分を再度測定

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U字のちょうど中間あたりを再度計測してみました。やっぱり12mmでしたね。

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正直、750mmボルトクリッパーはクリアしたのには驚きました。

ただ、電動工具の耐久性は低かった印象です。

【AAA】「ランチなら行けるかも」

電動工具の切断には耐えられなかったため「AAA」です。

格付としては「AAA」です。おすすめできるレベルの鍵のカテゴリーにランクインしました。

正直、750mmボルトクリッパーはクリアしたのには驚きましたね。

同カテゴリーのウインテックは切断に約1分かかっています。こちらは約30秒。半分のスピードで切断できたことになります。

また、指紋で解錠する「U・Be・Lock」は約20秒でした。ともに重量は1kgです。

ランキング順位は上記2つの間に位置しそうですね。

総評(追記あり)

過去の実績から考えると重量825g(12mm)辺りの鍵は750mmのボルトクリッパーで切断できる鍵が多かったのですが、こちらは電動工具まで必要としたことを考えると十分健闘したと思います。鍵の部分にカバーも付いていますし、十分おすすめできそうですね。

個人的にはダイヤルロックは推奨はしないですが、鍵を持ちたくない心情の方にはかなり良い選択肢に入ると思われます。

指紋認証といいダイヤルロックといい、最強クラスの鍵のバリエーションが増えるのはとってもいいことですね。

Amazonだと2000円少しで買えますが、楽天等だと5000円前後しますので購入先は要検討が必要そうです。

追記(必読)

この記事を投稿する直前、鍵を落としてしまいました。

するとシリンダーのケースが少しパカッと、、

え?と思って広げてみたら、、

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まさかのカバーが完全に外れてしまいました。この状態でもU字のアームは外れていません。

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しかし、サイドの隙間をぐりぐりすると、、まさかの分解、、

シリンダー部分の軽量化と引き換えの軽さだったのでしょうか。

工具がないとさすがにここまではできませんが、ちょっとオススメできない鍵になってしまいましたね。。

ということで、残念ながらランキング外に移動するとこにしました。