Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

Seatylock Gelを格付してみた

 自転車用ブレードロック「SEATYLOCK GEL」

製品仕様:Seatylock Gel
重量:1.5 kg
寸法:100cmx 26cmx 21cm
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「レビュー」

クラウドファンディングのMakuakeで公開されていた鍵だと思われます。

Makuake|サドルが鍵に変身。自転車とサドルを盗難から守る「Seatylock Gel」

ゲル入りのサドルをそのまま鍵にしたアイデア商品です。重量はサドル込みで1.5kgですが、普通のサドルでも700g前後あるので上手く機能すれば、これはこれでありのように思います。ブロジェクトを見る限り、焼き入れ金属を使用しているようなので期待して実験したいと思います。

Amazonで購入しましたが、価格の上下がなかなか激しいですね。正規品がどうかわかりませんが、類似のバリエーションもあるようです。

私が購入した11月末頃はかなり安くなっていたので、正規品であればかなりお得ではないでしょうか。

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俯瞰で見ると、完全にサドルですね。形状から見るにロードというよりは、小径車や一般的な自転車での使用を想定しているのかもしれません。

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裏返すと多関節ロックが出てきました。サドル内に収まるように特殊な形状をしているようです。

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すごいですね。これ設計するのかなり大変だったのではないでしょうか。

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ブレード部分を持ち上げてみました。写真のように両側を持ち上げて使います。振動で外れないように両サイドのプレートがお互いをロックするような形状をしています。

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サドルと鍵は固定されているので、この形状で使用します。思ったより広がりました。

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関節は6箇所。ABUSなどの多関節と同じですね。今のところ問題はなさそうです。

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鍵穴にカバーなどはありませんが、安い鍵にあるようなバリなどもなくキレイに成形されています。

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鍵は3つ付いています。自宅と会社、持参用ですね。十分です。

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鍵を閉めてみました。突起をロックするシンプルな構造。頑丈そうです。

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サドルの裏です。サドルとブレードは、星型の特殊なネジでロックされています。

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マニュアルがあったので、一応載せておきます。

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複雑そうに見えますが、一回で慣れると思います。

色々なサイズを測ってみました。

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厚さは約8mmですね。金属部分はのちほど測ってみます。

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幅は約20mmです。ABUS6000より気持ち小さいですね。

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四角になるように広げてみました。一番広いところで横は約26cm、縦は25cm。

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長方形にしてみました。横は約36cmまで広がりました。このぐらいあれば十分です。

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ABUS6500と比べてみました。2倍近い広さがあります。通常の利用では十分すぎるサイズです。

金属部分のサイズを測ってみます

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金属部分のサイズも測りました。4.4mmですね。先ほど8mmあったので、プラスチックのカバーの厚みは約1.8mmです。

購入した価格の割にしっかりしたプレートが入っているようです。このサイズで焼き入れされていることなので、もしかすると結構上位に入るかもしれません。

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横幅も測りました。18mmでした。カバー込みで20.3mmなので、横のプラスチックは約1.1mmほどのようです。

まとめると、Seatylock Gelの金属プレートは、幅18mmと厚み4.4mmでした。
ABUS6000のプレート幅は20.4mm、厚みは5.3mmほどなので、一回り小さいですね。

個人的には厚み5mmがボーダーだと思っているので若干不安。。

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プレートの隙間も見てみました。ピンがむき出しにはなっていないようです。

自転車に取り付けてみた

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鍵穴の形状が邪魔でスポークの間に入らないので、鍵穴がない方のブレードを奥から差し込みました。

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慣れれば違和感なく取り付けられそうです。まあサドルが邪魔では?と言われると邪魔ですが、、

ブロンプトンのサドルと比較してみた

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下がブロンプトンの純正サドルです。ゲル入りだけあって肉厚ですね。

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サドル長はほぼ同じ。ブログの記事的にはサドルを取り付ければいいのでしょうが、ちょっと大変なのでスルーします汗。

重量を測ってみた

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14.6キロと、公称の1.5キロとほぼ同じです。

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サドルを固定する器具込みで約1.8kgでした。

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固定器具を取り付けると、あとはワンタッチで自転車に取り付けられます。

「実験」

とりあえず、強力ニッパーで切ってみようと思います。
はい、早々に断念。

200mmのボルトクリッパーで攻めてみます。
が、、さすがに全く歯が立ちません。

次に、350mmのボルトクリッパーで攻めてみます。
ん、、これも厳しい。

450mmでチャレンジしてみます。

このサイズならしっかり挟みこめます。しかし、18mm幅と4mm厚なので、さすがに腕力だけでは難しそうです。
思い切って体重を載せていきます。ズンズンと体重をかけると、もうちょっとで切断できそうですが、思いのほか跳ね返されますね、、
10分近くなると、すでに腕と手のひらの疲労がやばい、

750mmのボルトクリッパーに持ち替えました。

余裕で挟み込めるサイズなので、最初からがっつりいきますね。私の予想ではこの辺りで切断できそうなのですが、どうでしょうか。

一回目のチャレンジ!挟み込んで約40秒ほどでバスっと大きな音がしました。

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さすがに750mmのボルトクリッパーには瞬殺されましたね。

1m手前から計測スタートして、切断、元の位置に戻って計測ストップしているので、実質10秒かかってないと思います。

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切断面に寄ってみました。

左端から、ニッパー、250mm、300mm、450mm、750mmです。

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プラスチックのカバーを取り外してみました。

真ん中が450mmの切断面です。もう少しだと思っていたのですが、全然でしたね。反対側からも攻めれば少し結果が違っていたかもしれません。

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裏側もみてみます。450mm跡は少しヒビっぽいのが入っていますね。10分以内ではきれませんでしたが、もう少し時間があれば切れていたかもしれません。

この鍵、プラスチックのカバーが結構分厚く硬いので少々手こずりました。たまたまだと思いますが、この方法はもしかするとありかもしれませんね。

 

AA ゴールド「カフェぐらいならいけるかも」

格付は、同じ多関節ロックのABUS6000と同じカテゴリーになりました。

大型ボルトクリッパーで切れてしまったので「AA」のゴールドです。

750mmのボルトクリッパーに対しては約40秒と瞬殺でしたが、450mmのボルトクリッパーには十分な強固さを発揮できました。正規品であれば元々約2万円近い価格設定のようなので当然かもしれませんが、価格が大幅に下がっている現在、このサドル込みが許容できるなら結構ありな選択肢ではないでしょうか。

カテゴリー内の順番ですが、比較対象になるのは「TIGR LOCK MINI」かと思います。こちらも750mmで切断されてはいますが、Seatylock Gelより時間がかかっているので、Seatylock Gelが下位に位置すると思われます。

総評

この鍵の魅力は、サドル一体型。これに尽きます。

サドルの下に鍵を収納できるので、フレームに固定する必要もなく、バッグに入れる必要もありません。しかも、かなり大きなプレートロックなので、通常の用途で長さが足りなくなることも少ないでしょう。

 一方で、好きなサドルは使えなくなります。見た目も固定です。この辺り、気になる人は選択肢から外れるでしょう。

ということで、鍵の性能としては十分強固といえるため、このサドルがありな人は買いだと思います。

当ブログとしては、窃盗団にマークされるぐらい高級な自転車や人気の自転車に乗っているひとは、もう1ランク上にAAAの鍵を選ぶことをおすすめします。

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