Evolution Mini-7 U字ロック
「スペック」
178x83mmのコンパクト型 Uロック
硬質13 mm Kryptoniumスチール製
実測重量:本体のみ982g
「レビュー」
クリプトナイトのU字ロックで人気のあるものといえばこれです。
「KRYPTONITE(クリプトナイト) Evolution Mini-7 U字ロック&フレックスケーブル」のセットは、Amazonで常に上位にきています。
価格は前回検証したフレックスケーブルが付属して6000円前後とまぁまぁな値段です。U字の上位モデルは1万円越えも多いので、比較的安価な存在ではないかと思います。
単体での販売もありますが、セットの方がコスパがいいですね。
鍵は現在下記のような特殊な形を使用していて、ディンプルキーと同じようにどちらの向きから指しても解錠できるようになっています。このあたりは便利です。鍵もライト付きと予備と併せて3つあるので十分かと思います。
鍵穴にはクルクル回るプラスチックのカバーが付いているので鍵を閉めた後にサラッと回転させておけば汚れが入りにくい仕様になっています。ただ、これが逆に鍵穴を見つけられず、イラッとすることも多々ありました。それでも回しておいた方が後悔はないと思います。
実際にU字ロックの内側にメジャーを入れてサイズを見てみます。
高さは約180mm、横は約80mmです。よくコンビニにある細いポールぐらいなら通るサイズかと思います。直接地球ロックできるかどうかは、自転車のフレームとの距離の兼ね合いもあるので悩ましいところですが。
追記2019.9:後日、ノギスで黒い棒部分の直径を測ったところ約16.3mmでした。場所によってゴムの厚みが2mm~3mmと誤差がありそうなのでざっくりですが。
単体でみると意外とどこでも停められそうな雰囲気もありますが、使用感としては狭い!フレームの形にもよるのでしょうが、このブロンプトンは車高が低く、パーツがみっしりなので、フレームごと施錠しようとするとU字が少ししか余らない。差し込める場所も限定されますね。
少し背の高いポールや、太いポールだどしんどそうですね、、
長時間駐車には厳禁ですが、前輪とポールだと余裕がありそうです。
ということで、同ブログで今のところ最強と思われるこちらの鍵を実験していきたいと思います。
「実験」
事前リサーチでもかなり手強いであろうU字ロックなので怪我しないように慎重に行いたいと思います。U字部分は硬質13 mm Kryptoniumスチール製なので、家庭用のニッパーやワイヤーカッターでの切断は不可能。
中型のボルトクリッパーから始めたいと思います。が、しかし13mmを350mmのボルトクリッパーでは挟み込めませんでした。
いきなり大型の600mmでチャレンジ
ぐぬxぬ、、腕の力では歯型を付けるだけしかできません、、
そこでボルトクリッパーを縦にして体重をかけにいきます。
全長600mmあるので自転車に鍵をかけたままで持ち手の片方を床に、もう片方を上にして体重をかけることができます。
ジャンプして何度かチャレンジしましたが、刃が潰れてしまいました。
安物だからでしょうか。まさか刃が平らになるとは、、
一旦、U字部分の切断を諦めて、鍵の本体を狙います。
オレンジのカバーをジョキジョキ切るとこんな感じの中身がでてきました。
お!これはいける?と思い、黒くて薄いスチールの部分を狙います。
U字のアームが入っている状態だと隙間がなく、600mmの刃は大きすぎるため、350mmで隙間に差し込んで切断しにいきます!
一発でバリッと変な音がして下記の状態に、、、
これも安いボルトクリッパーなので、、あれなのですが、数々のワイヤーやアルミを切断してきた刃が一発でかけてしまいました。
その後も試行錯誤したがまったく刃が入らずダメでしたので、ロックを外した状態で600mmの刃をかけると、ここまで破壊できました。
もちろん、格付の指標は「自転車に鍵を付けたまま切る」なので、もちろんランキングにはノーカウントです。そうとう刃が硬い小型ボルトクリッパーを使わない限り、ロックした状態でここまでもっていくのは不可能に近いです。
ちなみにこの部分は動画でもパイプを使ったり、冷却して破壊されていた場所ですね。
普通、こんなものは持ち歩いている人はいないので考慮しなくても大丈夫かとは思いますが、念のため。
ということで、大型ボルトクリッパーでも歯が立ちませんでした。
ボルトクリッパーの刃もガタガタになってしまい、使い物になりません。買い替えですね。しかも高いやつを。。
さらに上位カテゴリーになっている電動工具でチャレンジします
今回使用したのはハンディタイプの電動グラインダーになります。
金属用の刃を付けましたが、私は素人だったので経験者にお願いして指導してもらいながら切断実験を行いました。
歯が掛かった瞬間、キーーーンっとかなり高音が鳴り響きます。火花も1m以上飛び、これは危険です。これを駐輪場で行うと現場にいる人間全員が見るレベルの派手さ。
安全を最優先して行いましたが、時間にして約2分で切断できました。
正直もう少し慣れれば1分ほどで切断できたかもしれません。切断後、少しの間放置していたのでサビが少しでてしまっています。
※追記
16tの手動式油圧式鉄筋カッターで実験を行いました。
初の試みですが緊張しながら行います。
電動グラインダーと比べるのもおかしい話ですが、音はやっぱり静かですね。
ハンディとはいえ重量が5キロ以上あるので大変です。ゆっくり締めていきますが、U字を固定していなかったので、途中でパイプがずれてしまいました。
結果、約8分ほど切断できました。初めてで恐る恐るだったため、慣れれば2.3分もあればいけるかもしれません。
ちなみに、鉄筋カッターの歯も欠けてしまったので、即再実験とはいけそうにありません。
実験早々、替え刃を買い直しです。このクラスの実験は鍵もさることながら、工具代もばかにならないですね、、
AAA「ランチならいけるかも」
さすがクリプトナイトのセキュリティー"LEVEL7"のU字ロックです。数千円で買える価格帯にも関わらず、鉄壁の守りという印象。
地球ロック前提ですが、中学生がさらっと盗むような盗難には無敵。安物のボルトクリッパーレベルの相手にも十分な防犯効果があると思われます。
1キロ以下の重さで選ぶのであればありだと判断できます。価格も重さも違いますが、現在上位のパルミー等と比べても圧倒的です。
格付けとしては、AAAになります。
当然ながらこの鍵はメインで使用することをおすすめします。ただ、付属するワイヤーケーブルはワイヤーカッターであっさり切れてしまうので緊急時以外は使用をおすすめしません。
この鍵を使えば、格付の指標にしているランチ程度であればゆっくり食事できるのではと思います。ただし、プロの窃盗犯にマークされていないという前提です。
電動工具を使えば、これでも2分以内で切断可能です
地球ロックさえできれば、ちょっとした駐車には最適と思いますが、毎日停める自宅やマンション、ひとの少ない駐輪場などはやはり危険の回避は難しいと考えます。
盗られると泣いてしまう高級自転車をお持ちの方は、この鍵よりもはるかに上位である最強の「ABUS(アブス) GRANIT X-PLUS540」で地球ロックが間違いないでしょう。
2017.2.9 追記
ボルトクリッパーには軟鋼線材切断用、硬鋼線材切断用があることを最近知りました。当記事では安い軟鋼線材切断用で実験を行っていることが分かりました。
本日、硬鋼線材切断用を購入して再検証を行いましたが格付に変更はありませんでした。
2019.10 追記
その後、電動グラインダーで何度か実験を重ねた結果、こちらの製品も約1分で切断できました。
---
付属品のワイヤーケーブルも別途実験を行っています。