Bicycle Security Lab

自転車の鍵の格付サイトです。鍵のレビューや切断実験、鍵の研究を行っています

Panasonic(パナソニック) U型ロック SAJ080を格付してみた

U型ロック SAJ080 ブラック

「スペック」

原産国:中国
製品サイズ:(約)幅130×奥行35×高さ180mm
製品重量:(約)380g

Panasonic U型ロック

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「レビュー」

Amazonで自転車の鍵のU字ジャンルランキングの1位でベストセラーになっているパナソニックのU字ロックです。パルミーのU字ロックと迷ってこちらを買っているひとが多いのではと思います。値段はパルミーのほぼ倍なのに売れているということはブランドのイメージでしょうか。約380gとこちらもU字ロック界ではかなり軽い部類です。どちらを買うのがベストなのか今回の実験で結果がでるといいですね。

まず、鍵ですがディンプルキーが3個も付属しています。

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ディンプルキーは鍵を入れる上下の向きがなく、スムーズに出し入れできるのが特徴です。実際に差し込んでみましたがとめもスムーズで気持ちよいです。個人的にはディンプルキーが一番好きです。

質感ですが、厚めのゴムに覆われているため、少しプニ感があります。自転車のボディに当たってもこれが原因で傷がつくことはないと思われます。

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パルミーと比較すると若干小さいです。

鍵側の内枠が狭くなっているので思ったり狭く感じます。地球ロックはこちらの方がさらに難しいと思われます。

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手前がパルミーで奥が今回のパナソニックのU字ロックです。こうしてみるとだいぶ違いますね。強度の差次第ですが、パルミーの方が使い勝手が良さそうです。U字部分の太さは若干パナソニックの方が太いようです。

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実際にこの自転車の一番太いフレームに留めてみました。パルミー同様に苦しいです。

奥の灰色の柱の直径は約40mmなのでフレームと同じぐらいなのですが、自転車を寄せて寄せてギリギリ繋がった感じです。前後のすきまはほぼないので、フレームと柱は密着しています。

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フロントタイヤにも付けてみました。常用するならこのぐらいの余裕はほしいですね。やはりこのU字ロックもサブで使うのがいいなと実感しました。前輪の盗難防止用等であれば問題ないと思われます。

 

「実験」

さすがU字ロックですね。

家庭用のハサミと万能ハサミではゴムが切れるだけでビクともしません。

ワイヤーカッターも同様にゴムに傷を付けるのが限界です。

350mmのボルトクリッパでチャレンジしました。

最大切断能力が7mmの商品ですが、刃は最大で13mmほど開きました。パルミーのときと同じものです。一気に挟むことができないので、こちらも少しずつ端っこから攻める作戦にしました。

自転車に取り付けた状態で約5分ほどで半分ほど切れました。ん、、なんかすんなり刃が入る印象ですね。パルミーより柔らかいのかもしれません。約7分ほどであと少し?で切断できそうなところまで来ましたが、手こずっています。かなり力を入れて11分ほどで切断することができました。クーラーが付いているのに汗だくで、手のひらが擦れてしまい痛いです。350mmではまったく力が入らないんですよね。下記が切断面の写真ですがピンが甘いですね。。

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次に今のところ無敵の600mmのボルトクリッパです。

これは最大切断能力が10mmの商品で刃は最大で20mmほど広がりました。ガツガツと握りました。手元のストップウォッチで約58秒で、2回目の刃入れで切断できました。

今回もボルトクリッパですんなりと。。。ほんと携帯禁止にしてほしいです。600mmは数値以上に大きく目立つので一般人が持ち運ぶことは基本ありえません。これを使われるのはプロか撤去業者のみと思われます。悩ましいところですが、高い自転車であれば、迷わず考慮しておきたいですね。

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これがパルミー左とパナソニック右の切断面の比較です。

今回刃を入れた場所のアルミ部分の太さはほぼ同じようです(パナソニックは太さが均一ではないです)。ゴムの素材と厚さが見てわかります。この辺りは好みですかね。ともにアルミがしっかり詰まっているので、比較的強い強度が保たれているのでしょう。

2018.5.3追記

格付再編のために450mmの中型ボルトクリッパーで再チャレンジします。

こちらも450mmなら750mm同様にとはいきませんが、複数回のチャレンジで10分以内での切断は可能でした。

 

「結論、コンビニなら行けるかも」

格付の判定ですが、今回用意した中型専用工具では10分ほどで切断できました。このタイプが2回目ということで慣れがあるのかもしれませんが、若干でもパルミーより早く切断できてしまったのは少し不安を覚えてしまいます。

10分でカフェを終える人はいないと思いますが、実験の状況を考慮すると中々強い印象です。

パルミーと同じ防御力を持っていると言っても過言ではないと思います。

こちらも地球ロックさえできればワイヤーや安いチェーンの比にならないぐらい高い防犯性能があるといえます。

ただ、こちらは600mmのボルトクリッパには1分と持たなかったので、数時間の放置は極めて危険です。ロックできるサイズからいくとサブの利用がおすすめです。初めて訪れる場所など慣れない場所での運用は正直難しいと思います。小さすぎるうえ、形が均一ではないので、コンビニも正直危ういと思います。

格付けとしては、Aです。

過去のABUS1500より確実に上、パルミーと同レベルです。

しかし、どちらを買うかと聞かれたら、今回の実験においてはパルミーと答えると思います。値段は半額、内側の径が広い、強度は若干上という判断です。ディンプルキー好きとしてはまぁ最後の最後まで悩むと思いますが、、

ということで、ガチの自転車泥棒に出会わない運の持ち主、またサブ利用ではアリな選択ではないかと考えます。

数時間手を離れるときは、もっと強固な鍵を使うべきです。